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グアムがアメリカ領なのはなぜ?旅行者が知っておきたい法律等も解説!
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© グアム政府観光局
グアムは、アメリカ領に属しています。つまり、グアムは国ではなく、アメリカ領土の1つということになります。
なぜグアムは国ではなく、アメリカに属しているのでしょうか?この記事では、グアムがアメリカ領になるに至った歴史や、アメリカ本土との共通点・違いなどを紹介します。
グアムは国ではなくアメリカの準州にあたる

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グアムはアメリカの準州になります。
簡単に言えば「グアムはアメリカの領土の一部」ということです。つまり「グアム」は国名ではありません。
グアムは、自治権を認められたアメリカの自治的未編入領域で、独自の議会や裁判所をもっています。また、グアムはアメリカの合衆国憲法の一部が適用され、独自の憲法はもちません。
ただし、グアムは準州のため、州よりも自治権が弱くなっています。たとえば、グアム住民にはアメリカ大統領の選挙権がありません。
また、グアムはカリフォルニア州の法律に準じていますが、グアム独自の法律もあります。
詳しくは後述しますが、中には日本人観光客も気をつけないといけないグアム独自の法律もあるので、注意してくださいね。
グアムがアメリカ領になった経緯
なぜグアムは国ではなく、アメリカに属しているのでしょうか?
グアムがアメリカ領になった経緯は、これまでのグアムの歴史を知るとわかります。
1.東南アジアから人々が移住し、チャモロ文化が形成される(古代チャモロ時代)

▲この時代にチャモロ人によって作られた謎の遺跡「ラッテストーン」は、グアムの観光地となっている
スペイン人が移住する前、紀元前~1500年まで、独自の文化をもつ最初の定住者「チャモロ人」がグアムに住んでいました。当時の男性が頭を剃り後ろ髪だけを伸ばしている髪型を見て、スペイン人が「チャモロ人」と名付けたことが由来です。
チャモロ人には文字がなかったので詳しい歴史は不明ですが、漁師や職人として優れていたことがわかっています。漁のためのカヌーを作ったり、陶器製作に優れていたりと、グアム独自の文化を育ててきたことが確認されています。
2.スペインのマゼランがグアムを発見、その後征服者が領有権を宣言する(スペイン統治時代)

▲かつてスペイン提督婦人が客人をもてなした、スペイン広場にある建物「チョコレートハウス」
高度な文化を形成してきたチャモロ人は、1521年に大きな転機を迎えます。
1521年、海外諸国でグアムを初めて発見したのが、スペインのマゼランです。当時、スペイン国王の命令で世界一周の航海をしていたマゼランは、3隻の船団を修理するために立ち寄ったのがグアムです。
3日間グアムへ上陸し、チャモロ人がマゼランらに野菜や水などを渡す代わりに、マゼランらは鉄を与えました。当時、マゼランらはウマタックから上陸したため、ウマタック村には「マゼラン上陸記念碑」が建てられています。
マゼランがグアムを発見したあと、1565年にスペインの征服者であるミゲル・ロペス・デ・レガスピが来島し、スペイン国王がグアムの領有権を宣言。グアムはスペインの植民地となり、その後333年間スペインに統治されることになります。

▲スペイン統治時代の歴史が色濃く残る「スペイン広場」
3.米西戦争によりアメリカの領土になる(第1アメリカ統治時代)
当時、植民地であったキューバの独立運動を残虐的な行為で弾圧するスペインに対し、アメリカが糾弾。また、アメリカ国内の開戦の世論も受けて、1898年にスペインとアメリカの「米西戦争が勃発しました。
米西戦争では、スペインの植民地であったグアムが、アメリカの攻撃対象になります。
その後、開戦から4か月で米西戦争に勝利したアメリカは、1899年のパリ条約によってグアムを領有します。ここから42年間、第1アメリカ統治時代が始まりました。
4.太平洋戦争により日本の領土になる(日本統治時代)

▲ラッテストーン公園にある、日本統治時代に作られた防空壕跡
1941年、第二次世界大戦下で日本がハワイに真珠湾攻撃を仕掛けたことを機に、同年に日本がグアムを占領。
ここから、2年7か月の日本統治時代が始まりました。占領を機に、グアムを「大宮島」、ハガニアを「明石」と改名しています。日本統治時代では、グアム住民に労働や日本語を話すことを強制していました。
5.日本からグアムを奪還、アメリカの準州へ(第2アメリカ統治時代)

▲グアムにある自由の女神像
世界は第二次世界大戦に突入すると、1944年、アメリカは、日本軍の領有下にあるグアムを奪取するために来島します。
3週間にも及ぶ激戦の末、アメリカは日本軍に勝利し、再びアメリカの統治に入ることになりました(第2アメリカ統治時代)。
現在では、この日は「解放記念日(リバレーションデー)」となり、グアムの祝祭日になっています。

▲リバレーションデー
そして1950年、アメリカの連邦議会によりグアム基本法が制定され、グアムはアメリカの準州となり現在に至ります。
その後、グアムはリゾート開発が進んだことで、今では美しいビーチなどで世界有数の観光地となっています。
参考:2023年、グアムの解放記念日(リバレーションデー)に参加!平和を望み、祭りを楽しむ現地の様子を取材しました
【法律編】アメリカ領のグアム旅行で知っておきたいこと

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グアムは米カリフォルニア州の法律に準じているほか、グアム議会が定めた法律があります。事前に知っておかないと、日本人観光客が思わず法律に抵触してしまう恐れもあります。
そこで次から、グアム旅行をするうえで、日本人観光客が知っておきたいことを5つ紹介します。
1.交通ルール

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グアムでレンタカーを借りる方が注意したいのは、交通ルールです。グアムではアメリカ本土とほぼ同じ交通ルールが適用されており、中には知らずに違反してしまう法律もあります。
グアムで特に注意したいのは、次の交通ルールです。
- ・右側通行(左ハンドル)
- ・赤信号でも、一時停止して安全を確認したら右折可能(「No Turn on Red」の標識がある交差点以外)
- ・停車中のスクールバスの追い越し禁止 など
なお、グアムでは、グアム30日以内の滞在に限り、日本の運転免許証で運転できます。国際運転免許証は必要ありません。
上記の交通ルールは知っていればそこまで難しいものではなく、実際にグアムでレンタカーを借りる日本人観光客の方も多くいます。
グアムは単調な道のりが多く、慣れればある意味日本よりも運転しやすいので、ぜひ海外ドライブに挑戦してみてくださいね。
グアムの交通ルールについては、下記の記事で詳しく解説しているので、気になる方はあわせてチェックしてみてください。
参考:グアム旅行にはレンタカーがぴったり!予約方法や運転ルールを紹介♪
2.飲酒・喫煙は21歳から

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グアムを含め、原則アメリカのすべての州では、飲酒・喫煙は21歳からです。20歳の日本人がグアムに来て飲酒や喫煙をすると違法なので注意しましょう。
グアムでお酒やたばこを購入する際に、身分証明書を求められることがあります。その際は、パスポートや日本の運転免許証を提示しましょう。
なお、パスポートのコピーでは身分証明にならず、原本を提示する必要があります。
3.公共の場の飲酒・喫煙禁止

アメリカの多くの州と同様に、グアムでは路上の飲酒は禁止されています。
日本人は公共の場で飲酒をする方もいますが、日本と同じ感覚で、グアムの歩道やビーチなどで飲酒をしていると違法になるので、必ずやめましょう。
なお、グアムは「禁煙法(ナターシャ保護法)」を定めており、路上喫煙も禁止なので注意しましょう。日本と同様、許可された喫煙スペースで喫煙するようにしてください。
4.しつけで子どもを叩くのは違法
グアムは児童虐待に厳しい場所でもあります。しつけのために子どもを叩くのは、児童虐待として違法になります。
叱る意味で子どもを叩いていることが公で明らかになると、違法になる恐れがあります。日本では「少し厳しいしつけ」も、グアムで違法になるケースがあるので、注意しましょう。
5.ホテルやレンタカーなどに子どもを置いて出かけてはいけない
グアムでは、法律により、12歳未満の子どもをホテルやレンタカーなどに置いて外出することは違法です。短時間であっても、子どもを放置してはいけません。
たとえば「ロビーに行きたくて、部屋に5分だけ子どもを置いてきた」という場合でも、これが公になれば罰せられる恐れがあります。わずかでも子どもを放置しないよう、常に一緒に行動するようにしましょう。
PICグアムやロッテホテルグアムなどでは、子どもを預かるキッズプログラムを実施しています。子どもを預けてどこかに外出したい場合は、こういったキッズプログラムを利用しましょう。

▲PICグアムのリトルキッズクラブ
グアムの子連れ旅行で知っておきたいポイントは、下記の記事で詳しく解説しているので、気になる方はあわせてチェックしてみてください。
参考:子連れグアム旅行を徹底解説!ホテル・観光スポット・注意点など紹介♪
【マナー編】アメリカ領のグアム旅行で知っておきたいこと

アメリカ領のグアムでは、日本とは異なるマナーがあります。グアム旅行をするのであれば、現地のマナーはしっかり守っておきたいもの。
日本人観光客が特に知っておきたい、グアムのマナーを2つ紹介します。
1.チップ文化

アメリカ本土と同様、グアムにはチップ文化があります。レストランやタクシー、ツアーなどでチップを渡す機会があるので、日本人観光客の方は知っておきましょう。
グアムのチップの目安は、次のとおりです。
| シーン | チップ(目安) |
|---|---|
| ホテルでベルボーイなどに荷物を運んでもらった | 荷物1つにつき1ドル |
| ベッドメイク | 1泊ごと、使用したベッド1つにつき1~2ドル(高級ホテルなら2~3ドル) |
| タクシー | 乗車料金の10~15% ※ホテルやレストランでタクシーを呼んでもらった場合は、スタッフや店員さんに1ドル程度のチップを渡す |
| Stroll(ストロール) | 乗車料金の10% |
| ホテル手配やツアーによる空港送迎 | 基本的に不要 ※重たい荷物を運んでもらった場合は、1つの荷物につき1ドル |
| レストラン・ウェイターのいるカフェ | 一般的なレストラン:料金の15% 高級レストラン:料金の20% |
| バー | 1杯ごとの会計:不要 最後にまとめて会計:料金の15% |
| スパ・エステ・マッサージ | 料金の15~20% |
| ツアーガイド | 半日ツアー:5~10ドル/1日ツアー:10~15ドル |
| 挙式 | ドライバー:10~20ドル カメラマン・ヘアメイクスタッフ・コーディネーター:20~30ドル |
ただし、伝票に「SVC(サービスチャージ)」や「Service Fee」と記載されている場合、すでに料金にチップが含まれています。この場合、あらためてチップを渡す必要はありません。
グアムのチップに関する詳しい情報については、何度もグアムへ渡航している筆者が以下の記事で解説しているので、あわせて参考にしてみてください。
参考:グアムのチップの相場は?シーン別の渡し方やマナーなど徹底解説!
2.レディーファースト
アメリカ本土と同様、グアムにはレディーファーストの習慣があります。次から、グアムで押さえておきたいレディーファーストのポイントを紹介します。
- ・ショッピングセンターやホテルなどで女性のためにドアを開け、先に行かせる
- ・レストランでは女性が先に席に着く
- ・エレベーターやエスカレーターは、先に女性に行かせる(女性が全員乗るまで、男性は乗らない) など
男性は、スマートにレディーファーストできるとかっこいいですよ。ぜひグアムで、レディーファーストを心がけてみてくださいね。
【渡航準備編】アメリカ領のグアム旅行で知っておきたいこと

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グアムはアメリカ領のため、日本とは異なるインフラや必要な準備があります。
初めてグアムを訪れる方でも戸惑わないよう、渡航前に押さえておきたいポイントを3つ紹介します。
1.「ESTA」または「Guam-CNMI ETA」の取得が必要
アメリカ領のグアムへ短期観光目的などで入国するには、電子渡航認証を申請・取得する必要があります。
グアムには、観光目的で入国する場合、「ESTA」または「Guam-CNMI ETA」の取得が必要です。このうち、Guam-CNMI ETAについては申請無料でおすすめです!
Guam-CNMI ETA以外にも、ESTAでも入国が可能です。ESTAの申請には1人40ドル(1ドル=150円で6,000円)かかりますが、グアム以外にも、ハワイやアメリカ本土にも入国が可能です。取得後2年以内にハワイやアメリカ本土に行く予定の方は、ESTAでもよいでしょう。
グアムへの入国情報については、以下の通りまとめています。申請先のURLなども記載しているので、ぜひ参考にしてみてください。
| 入国に必要なもの | 詳細 | |
|---|---|---|
| パスポート | 入国時45日以上の残存期間が望ましい | |
| ビザ・電子渡航認証 ※右の1~3のうち、いずれか1つ必須 |
1.グアムー北マリアナ諸島連邦ビザ免除プログラム「Guam-CNMI ETA」 | ・最長 45日間まで滞在可 ・2年間またはパスポート有効期限のいずれか早いほうまで有効(期限内は複数回渡航可) ・申請費無料(申請はこちらから) ・航空機搭乗の7日前までの申請推奨 |
| 2.電子渡航認証システム「ESTA」 | ・最長90日間まで滞在可 ・2年間またはパスポート有効期限のいずれか早いほうまで有効(期限内は複数回渡航可) ・申請費1人40ドル(申請はこちらから) ・渡米日の72時間前までの申請推奨 ・有効期限内にハワイやアメリカ本土にも行く方は、ESTAでもよい |
|
| 3.米国ビザ | 観光、短期商用、通過目的以外で渡航する場合、米国ビザ必須 | |
| 税関申告書(EDF) | ・電子版のみ、紙はなし ・72時間前から申請可能 ・EDFの申請はこちらから |
|
※2026年2月21日時点の情報です。閲覧時点で必要書類等が変更されている可能性があるほか、上記以外にも諸条件がありますので、必ずグアム政府観光局のページもチェックしてください。
※上記のほかにも、18歳未満の方が単独または片方の親同伴で渡航する場合には「渡航同意書」など、渡航者によっては追加で準備が必要になるケースがあります。
グアムの最新入国情報については、下記の記事で詳しく解説しているので、あわせて参考にしてみてください。
参考:グアムの入国情報を徹底解説!必要なものや入国までの流れ、注意点など解説
2.米国ドル・クレジットカードを準備する
アメリカの準州であるグアムの通貨は米国ドルです。グアムへ渡航する前に、国内の空港などで米国ドルに両替しておきましょう(グアム現地で、良いレートで両替できる場所はあまりありません)。
また、アメリカ本土と同様、グアムもカード社会です。ホテルやレストラン、スーパーなどあらゆる場面でクレジットカードが利用できるため、持参しておくと便利です。
クレジットカードを基本とし、現金を補助的に使うのがおすすめです!特に、チップで1ドル札が必要になるため、1ドル札を多めに持参しておくと便利です。
なお、グアムは消費税がかからず、また自由貿易港で関税もないため、島内全体が免税店のようになっています※。そのため、ショッピングも盛んで、ブランド品や化粧品、衣類などを購入する方も多くいます。
ぜひ、グアムでショッピングも楽しんでみてくださいね。
参考:グアムのショッピングスポットおすすめ9選!魅力やアクセスなど解説 | GLAM(グラム)|自分らしく生きる女性に、1日1GLAMを。
※店舗によっては、別途、6%のGRTと呼ばれる売上税を徴収するところもあります
3.コンセントがA型
アメリカ本土と同様、グアムのコンセントはA型で、日本と同じタイプです。日本のコンセントと少し異なるのは、グアムでは下の画像のように3つ穴の形状になっている点です。

上部の2つ穴は日本と同じ形状なので、日本と同じプラグを使用できます。
ただし、グアムの電圧は110~120Vで、日本の電圧100Vよりも高くなっています。
ひげそりなど100V対応の電化製品は、短時間の充電であれば問題ありませんが、長時間使用するのであれば変圧器を使いましょう(110~120Vに対応しているスマホ充電器などであれば、長時間の充電は問題ありません)。
まとめ:グアムでアメリカ気分を満喫しよう!
グアムはアメリカの準州であり、国ではありません。大統領選挙権など一部権利は認められていないものの、グアムはアメリカ人であり、自治権もあります。
グアムは日本からもっとも近いアメリカ・および英語圏内として、日本人観光客に高い人気を誇っています。グアム旅行する方は、ぜひアメリカ領になった経緯を知り、よりグアムを堪能してくださいね!

小川 遼
GLAMのトラベルライター。趣味は国内・海外旅行で、時には仕事をしながら旅行することも。国内・海外を問わず多くの旅先を訪れており、豊富な旅行経験をもつ。特にグアムには何度も渡航経験があり、現地のイベントやホテルなどを取材。グアムの魅力を細部まで知り尽くしている。現地での豊富な体験や取材を基に、旅行者に役立つグアムの魅力をお届けします。写真は、2024年にグアムのランニングイベント「ココロードレース2024」に参加した時のものです。
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