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実は「風前の灯火」、もとは「命のはかなさ」を説く仏教語だった!約1000年前から使われる知られざる由来
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「風前の灯火」、もとは危機ではなく「命のはかなさ」を説く仏教の言葉だった
「彼の会社は風前の灯火だ」「あの計画は風前の灯火になってきた」日常会話でもよく耳にする「風前の灯火(ふうぜんのともしび)」。
危機的な状況を表す言葉として定着していますが、コトバンクの解説をのぞいてみると、もとは仏教の書物に登場する「命や人生のはかなさ」を説くたとえだったことが見えてきました。
初出は平安時代の1079年ごろとされます。約1000年前から使われてきた言葉に、意外な来歴が潜んでいます。
由来は仏教書物『大智度論』の「風中の灯」
コトバンクの「故事成語を知る辞典」によると、「風前の灯火」の由来は仏教の書物でよく使われる「風中の灯(ふうちゅうのとう)」というたとえとされます。
『大智度論(だいちどろん)』という仏教の論書には「世間の転壊するは風中の灯の如し」という一節があり、「この世のものごとが変化して滅び去っていくようすは、風に吹かれる灯火のようなものだ」と説いています。
つまりもとは「危ない状況」ではなく、「人間の一生や命がいかにはかないか」を伝えるための仏教的なたとえだったわけです。
初出は平安時代の法会の記録
コトバンクの「精選版 日本国語大辞典」によると、日本での初出は1079年とも1096年ともいわれる『往生講式(おうじょうこうしき)』とされます。
「一生是風前之燭(いっしょうこれふうぜんのしょく)、万事皆春夜之夢(ばんじみなしゅんやのゆめ)」という一節で、「一生は風前の蝋燭のようなもの、万事は春の夜の夢のようなもの」という意味です。
極楽往生(ごくらくおうじょう)を願う法会(ほうえ)の場で、命のはかなさを説くために使われた言葉でした。
「命のはかなさ」から「危機的状況」へ、意味が変化した
コトバンクの「ことわざを知る辞典」によると、もとは仏教思想に基づき「人間の一生や生命がはかないことのたとえ」だったものが、やがて「危機的な場面の状況描写」にも多用されるようになったとされます。
「風に吹かれた灯火がいつ消えてもおかしくない」というイメージが、命のはかなさから危機的な状況へと意味を広げていったわけです。
仏教語を由来とし、日本では平安時代の法会関連文献に用例が見られる言葉が、1000年の時を経て現代の日常会話に生き続けているというのは、なんとも不思議な話です。
まとめ
「風前の灯火」は、仏教書物『大智度論』の「風中の灯」を起源とし、もとは命や人生のはかなさを説く言葉でした。
何気なく口にしていることわざに、約1000年分の来歴が宿っているというわけです。
参考
・コトバンク「風前の灯火」

GLAM Entame Editorial
編集部
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