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「すいません、これ違うんですけど」レストランで店員に急に横柄になった彼→私には優しい顔の裏側に背筋が凍った40代

「すいません、これ違うんですけど」レストランで店員に急に横柄になった彼→私には優しい顔の裏側に背筋が凍った40代

紹介で出会った穏やかな交際相手

40代になっても、思い出すたびに背筋がゾクッとする出来事がある。共通の知人から紹介された交際相手は、私の前ではいつも穏やかだった。

食事のペースを合わせてくれて、重い荷物はさりげなく持ってくれる。話を遮ることもないし、私の話には目を見ながら頷いてくれる。年齢を重ねた分、こういう落ち着きのある人と過ごしたいと思っていた私は、すっかり気を許していたのだ。

「来週、行きたいって言ってた店、予約しといたよ」。穏やかに連絡をくれる彼を、友人にも自慢したことがあった。優しい人だね、と何度も言われていた頃の話だ。

その日は、彼の行きつけだという少し奥まった場所のレストランで食事をする予定だった。「ここの料理、本当においしいから」と誘ってくれた声も、終始柔らかいままだった。

注文の品が違うと気づいた瞬間

テーブルに運ばれてきた料理を見て、彼の眉が寄った。注文したものと違っていたらしい。

店員さんを呼び止めた声を聞いて、私は思わず固まってしまった。

「すいません、これ違うんですけど」

言葉自体は丁寧だ。けれど声色が、私に向けるものとは別人のように冷たい。低くて、相手を見下すような響きがあった。

若い店員さんが慌てて頭を下げると、彼は短く息を吐いて、「忙しいのは分かるけどさ」と続けた。テーブルに肘をつき、視線は伝票を確認する店員さんの手元から動かない。

それから、私のほうへ顔を向けた瞬間、また柔らかい声に戻ったのだ。「ごめんね、待たせちゃって」。さっきの低い声と、目の前の優しい声。あまりに切り替えが早すぎて、私はうまく相槌が打てなかった。

優しさの輪郭が剥がれた帰り道

会計の時にも、彼はレジの店員さんに対してだけ、ほんの少し顎を上げて話した。私と話すときの柔らかさは、そこにはまったくなかった。

店を出てから、彼はまた優しい交際相手に戻った。腕を組もうと近づいてくる仕草も、声のトーンも、いつも通りだ。けれど私の中では、もう景色が変わってしまっていた。立場が弱いと思った相手にだけ態度を変える人なんだと、はっきり分かってしまったから。

(この人は、いつか私にもあの顔を向ける)。そう思った瞬間、心がスッと冷えていく感覚があった。

後日、私は連絡の頻度を少しずつ落とし、静かに距離を置いた。優しさの輪郭は、自分より弱い立場の相手に向ける態度で簡単に剥がれる。あの夜の声を、私は今も忘れられないのだ。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。

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