MENU

Share

HOME LIFESTYLE STORY COLUMN

「急がなくて大丈夫ですよ」レジで焦る客をスマホを見るふりをして待った。だが、去り際の一言に耳を疑った

「急がなくて大丈夫ですよ」レジで焦る客をスマホを見るふりをして待った。だが、去り際の一言に耳を疑った

焦らせないための「スマホという隠れみの」

仕事帰りの夜19時。

一日中パソコンと向き合い、心身ともにクタクタの状態。

「早く帰って、冷えたビールでも飲もう……」

そんなささやかな願いを胸に立ち寄ったスーパーのレジは、案の定、仕事終わりの人々で長い列。

ようやく私の番が次というところで、前に並んでいたおばちゃんの動きがピタリと止まりました。

小銭入れを覗き込み、指を細かく動かす彼女。

「あら、おかしいわね。あと10円あるはずなんだけど……」

焦っているのか、カバンの中までガサゴソと探し始めました。

後ろを振り返れば、さらに伸びる列。

イライラして時計を見る人もいれば、あからさまに大きなため息をつく人も。

ここで私がじっと手元を見つめれば、おばちゃんはもっと追い詰められてしまうはず。

そう判断した私は、そっとポケットからスマホを取り出しました。

「急がなくて大丈夫ですよ。私は全然気にしていませんから」

そんな無言のメッセージを込めて、あえて「画面に夢中な男」を演じることにしたのです。

画面をスクロールするふりをして、意識をあえておばちゃんから逸らしました。

報われない優しさと、帰り道のモヤモヤ

「ごめんなさいね、すぐ出すから……。ええと、これと、これで……」

「いいですよ、ゆっくりで」

心の中でそう答えながら、私は画面を見つめ続けました。

数分後、ようやく小銭が見つかった様子。

レジ袋を手にしたおばちゃんが、こちらに向き直りました。

ようやく私の番だ。スマホをしまおうとした、その瞬間です。

おばちゃんが私をじろりと見つめ、静かに、しかしはっきりとした口調で言い放ったのです。

「あなた、若いうちからずっとスマホばっかり見てちゃダメよ。もっと周りを見ないと」

……えっ?

あまりの衝撃に、思考がフリーズ。

「あ、いや、これは……」

言いかけたときには、彼女は徳を積んだと言わんばかりの満足げな顔で、出口へと歩き出していました。

「……私の気遣い、どこへいったんだろう」

レジ袋を提げて歩く夜道。やり場のないモヤモヤが胸に広がります。

焦らせないようにと、あえてスマホを見て時間を潰していた優しさが、まさか「スマホ依存の現代っ子」への説教に変わるなんて。

親切心が裏目に出ることもある。そんな苦い教訓を胸に、今日も私は、レジ待ちでスマホを出すべきかどうか、密かに葛藤しています。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

PROFILE

GLAM Lifestyle Editorial

編集部

日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。

website
前の記事

【新感覚】まるで「恋愛リアリティショー」。2泊3日の共同生活「totonari」で、相手の「素顔」から始まる恋の形

GLAM Lifestyle Editorialのすべての記事を見る

Gallery

SHARE !

この記事をシェアする

Follow us !

GLAM公式SNSをフォローする

Feature

特集記事

Ranking