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「家族水入らずの時間が必要だから」と彼の故郷で置き去りにされた私。だが、彼の本当の行き先を知り絶句

初めて招かれた彼の故郷の実家
当時付き合っていた彼は、故郷が日本ではない国の出身でした。
お互いに少しずつ言葉を学び合い、関係を重ねていく中で、ようやく初めて彼の実家を訪ねる機会が巡ってきたんです。
長旅の疲れはありましたが、ご両親に会えること自体が嬉しく、空港から実家に向かう車内では何度も荷物の中を確かめていました。
到着したその日の夜は、ご両親が手料理で歓迎してくれました。
食卓を囲み、彼に通訳をしてもらいながら、片言の言葉でも気持ちを伝えようと必死だったのを覚えています。
慣れない土地、慣れない言語、それでも温かい雰囲気にほっとして、長い移動の疲れがすうっと溶けていきました。
翌朝、彼が少しだけ申し訳なさそうな顔で言いました。
「家族水入らずの時間が必要だから買い物に行ってくる」
家族で過ごす時間が大事なのは、どこの国でも変わらない。
私はうなずいて、その日は実家でゆっくり過ごす予定だと聞かされ、知らない土地でも気を張らずに休めるならありがたいと感じていたんです。
実は別の地域へ旅行していた事実
ところが昼を過ぎても、彼はなかなか戻ってきません。
実家にはご両親もおらず、私はひとり、慣れない部屋でぼんやりと窓の外を眺めていました。連絡を入れても、返事はずいぶん遅れて届きます。
夕方近くになって、ようやく事情がわかりました。彼は近所の買い物に出ていたのではなく、いとこの家族と合流して、家族水入らずで別の地域へ旅行に出かけていたのです。
(家族の時間が必要なのはわかる。でも、日本からわざわざ連れてきた彼女を、言葉も通じない土地にひとり置いて、自分はいとこ家族と旅行?)
状況が呑み込めず、寂しさと違和感がじわじわと押し寄せてきました。
気を取り直して日本にいる友人に電話をかけ、ここまでの経緯を話してみたところ、それはやっぱりおかしい、と冷静に背中を押してくれたんです。
夜になって連絡がついた彼に、私は静かに告げました。
「どうぞ大切なご家族と、家族水入らずで幸せに過ごしてください」
感情に任せて責めることはしませんでした。ただ、自分がここに留まる理由はもうない。
翌日には荷物をまとめて帰国し、その関係には正式に区切りをつけたんです。空港でひとり搭乗を待つ間、不思議と寂しさはそれほど湧いてこず、むしろ視界が明るくなる感覚のほうが強くありました。
早く線を引けたぶんだけ、気持ちはむしろ軽く、ようやく自分のために時間を使える。そう実感できて、胸の奥がすっとほどけたのでした。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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GLAM Lifestyle Editorial
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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