Share
『羊羹』は羊のスープが起源だった!外郎(ういろう)・金鍔(きんつば)も漢字を辿ると別世界の出どころを持つ和菓子の事情
INDEX

和菓子の漢字、ひらがなで覚えていた名前にこんな背景が
ようかん、ういろう、きんつば。和菓子屋さんで見かけるおなじみの名前ですが、漢字で書くと「羊羹」「外郎」「金鍔」と一気に難しい顔つきになります。
語源由来辞典で由来を順番にのぞいてみると、お茶請けの定番たちが想像もしなかった出自を持っていることが見えてきました。
「羊羹」の「羹」は本来なにを指す字でしょう
ヒントは3つ。
・現代のようかんは小豆と寒天で作られる
・もとは中国の料理を指す名前だった
・「羹」一字でも「あつもの」と読みます
選択肢
1.甘い練り菓子
2.羊肉の入った熱い汁物
3.お米のおかゆ
4.干した羊肉
正解は「2.羊肉の入った熱い汁物」
「羹(あつもの)」は熱い吸い物のことで、「羊羹」はもともと中国で羊肉を煮た吸い物を指す料理名でした。
鎌倉から室町にかけて禅宗の僧が日本へ持ち帰った際、肉食を避ける精進料理の作法に合わせて羊肉を小豆や葛に置きかえ、やがて砂糖と寒天で固める甘い菓子へと姿を変えていったと伝わります。
「外郎」と「金鍔」も、漢字に正体が隠れています
外郎(ういろう)の「外郎」は、もともと中国の官職名「員外郎(いんがいろう)」、定員外の役人を意味する言葉です。
室町時代に元の礼部員外郎であった陳宗敬(ちんそうけい)が日本に帰化して薬を伝え、その薬の名「外郎」が、見た目や色がよく似た蒸し菓子の呼び名にも転じたといわれます。
金鍔(きんつば)は、丸く平たい姿が日本刀の鍔(つば)に似ているところから付いた名前です。
1600年代末に京都で「銀鍔(ぎんつば)」と呼ばれていましたが、江戸に伝わるなかで「銀より金のほうが景気がいい」と「金鍔」へ呼びかえられたという由来があります。
まとめ
羊のスープ、中国の役人の薬、刀の鍔。
お茶のそばに並んでいるだけの三つの和菓子が、漢字一字ずつにこれほど別世界の出どころを抱えているというのは、なんとも不思議な話ですね。
和菓子屋さんのショーケースに並ぶ名前の漢字には、海を渡った長い旅の記憶がそっとしまわれているというわけです。
参考
・語源由来辞典「外郎/ういろう」
・語源由来辞典「金鍔/きんつば」

GLAM Entame Editorial
編集部
エンタメやカルチャーを入り口に、今を生きる大人の感性や知的好奇心を刺激する編集部チームです。話題のニュースやトレンド、SNSで広がるカルチャーから、思わず考えたくなる大人の常識クイズまで。楽しみながら学び、視野を広げられるコンテンツを通して、日常にちょっとした発見や会話のきっかけを届けています。ただ消費するだけのエンタメではなく、知ること・考えること・共有することを大切に。大人だからこそ楽しめるポップカルチャーを、発信しています。
Feature
特集記事

