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「今度は一体誰の話をしてるの?」主語なしで会話してくる母に我慢の限界→私も主語なしで話した結果

「今度は一体誰の話をしてるの?」主語なしで会話してくる母に我慢の限界→私も主語なしで話した結果

母との困った電話

スマホのバイブレーションが鳴り、ディスプレイには「母」の表示。

実家からの電話にはいつも謎の疲労感が伴うため、一瞬ためらったが、意を決して応答した。

「もしもし?元気にしてる?」

「ああ、仕事は相変わらず忙しいけどね。そっちは変わりない?」

ここまでは、どこにでもある平凡な親子のやり取りだ。しかし、真の試練はここから始まる。

「それがねえ、この前いきなりバタッと倒れちゃって、救急車を呼ぶ大騒ぎになったのよ!」

「えっ!?大丈夫なのかよ、母さん!?」

「ちょっと、何慌ててるの。私なわけないじゃない。向かいの家のご主人よ!」

心臓が止まるかと思った私の心配をよそに、母の声はひどく平然としている。

「いやいや、主語がないから分からないって!いきなり倒れたって言われたら、普通は自分たちのことかと思うだろ」

「本当にあんたは昔から察しが悪いわねぇ。流れ的にご近所の話をしてるんだから、文脈で読み取りなさいよ!」

無茶苦茶な理屈で怒られる私。

ご近所の話題など、今この瞬間まで1ミリも出ていなかったというのに。

「あのさ、『ご近所の』なんて前振り……」

「そういえばね、やっと結婚が決まったのよ。来月の終わり頃だって」

私の反論を鮮やかにスルーし、またしても主語ゼロの話題が急展開する。

「えっと……今度は一体誰の話をしてるの?」

「親戚の従姉妹に決まってるでしょ。もう、本当にあんたは人の話を聞く気がないんだから。家族なんだから、以心伝心でパッと分かりなさいよ!」

ため息をつきたいのは完全に私のほうである。

欠落した主語を必死に補完しているのに、「察しが悪い」「以心伝心で」と説教される理不尽さ。

普段なら適当に相槌を打ってやり過ごすのだが、今日の私は一歩も引かない決意を固めた。

渾身の「主語抜き」カウンター

「なるほどね。じゃあさ、俺からもちょっと大事な報告があるんだけど」

「なによ、急に真面目な声出して」

「来月、ついに結婚することになったからさ」

電話越しに、母が盛大に息を吸い込む音が聞こえた。

「ええええっ!?あんた彼女なんていたの!?ていうか結婚!?ちょっと、なんで今まで黙ってたのよ!!」

完全にパニックに陥り、大声で質問攻めにしてくる母。

私は口角を上げ、わざとらしく冷静なトーンで告げた。

「何勘違いしてるの。俺じゃないよ。職場の後輩の話」

「はあ!?なんであんたの職場の後輩が、わざわざうちに挨拶に来るのよ! 全然意味が分からないんだけど!」

「いやいや、後輩が『自分の』彼女の実家に挨拶に行くって話をしてるんだよ。もう、母さんは本当に察しが悪いなぁ」

「ちょっと、あんたねえ!」

電話口で噴火寸前の母の声を遮り、私は最後の一撃を見舞った。

「家族なんだから、そのくらい以心伝心で分かってよ。じゃ、仕事戻るから切るね!」

「あ、ちょっと待ち……」

通話終了のボタンをタップし、スマホを机に置いた。

長年私を苦しめてきた「主語なしミステリー」の元凶に対し、全く同じ手法で意趣返しをしてやったのだ。

胸のすくような圧倒的カタルシスを感じながら、その日飲んだコーヒーは信じられないほど美味かった。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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GLAM Lifestyle Editorial

編集部

日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。

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