Share
「おばさんちょうだい!」試食品を何度ももらう子供。違和感を感じ、子供の後を追いかけると…【短編小説】
INDEX

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
試食品をとりに来た子供
スーパーで少し高めのロースハムの試食販売をしていた時のことです。
週末で混み合う店内、一人の男の子が何度も私の前にやってきました。
「おばさん、それちょうだい!」
元気な声ですが、その子は受け取ったハムをその場では食べず、手に持ったビニール袋にこっそりと放り込みました。
一度や二度ではありません。五回、六回と繰り返し、「おばさん、もっと!」と催促に来るのです。
(これ、自分でおやつにする量じゃないよね……?)
不審に思った私は、交代のスタッフが来たタイミングで、店を出ていく男の子を少し離れて追ってみました。
見てしまった光景
すると、彼は駐車場に停まった一台の車へと駆け寄っていったのです。
車の窓が開くと、中には派手な格好をした母親らしき女性が座っていました。
男の子がハムの入った袋を差し出すと、母親は中を覗き込んで不満そうに言いました。
「これだけ? もっとたくさんもらってきなさいって言ったでしょ。今日の昼ごはんにするんだから。タダなんだから遠慮しなくていいのよ」
男の子は困ったような顔をして、「でも、おばさんに顔を覚えられちゃったよ……」と俯いています。どうやら母親に命じられて、試食品を「回収」させられていたようでした。
あまりに身勝手な言い分に、私は我慢できなくなりました。私はわざと明るい声を出して、車のそばへ歩み寄りました。
「お買い上げありがとうございます! 試食をあんなに気に入っていただけて嬉しいです。あちらの袋に入っている分、ちょうど一パック分くらいの量になりますので、こちらの伝票をお持ちになってレジでお会計をお願いできますか?」
私は店内の「試食は一人一点。過度な持ち出しは商品代金を頂戴します」という注意書きのメモを笑顔で提示しました。
母親は顔を真っ赤にして、「はあ!? なんでタダのものにお金を払わなきゃいけないのよ!」と怒鳴りましたが、周囲の買い物客が冷ややかな視線を送っていることに気づくと、バツが悪そうに「もういいわよ、いらないわよ!」と袋を私に突き返し、急いで車を急発進させて去っていきました。
子供に罪はありませんが、親の常識外れな行動には毅然と対応して正解だったな、とスカッとした気持ちになった出来事でした。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
Feature
特集記事

