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「俺の退職金、投資に全額使ったから」と豪語する夫。後日、チャート結果を見た私が書いた書類【短編小説】

「俺の退職金、投資に全額使ったから」と豪語する夫。後日、チャート結果を見た私が書いた書類【短編小説】
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
「倍にしてやる」退職金2000万円を全額ベット
定年退職を迎えた夫が、帰宅するなり高らかに宣言しました。
「おい、退職金が入ったぞ。これからの老後は安泰だ」
私が労いの言葉をかけようとした矢先、彼は信じられない言葉を続けます。
「手堅く貯金なんて馬鹿らしいからな。全額、ある新興企業の株に突っ込んでおいたぞ」
耳を疑う私。
老後の命綱である2000万円を、相談もなく一括投資したと言うのです。
「えっ、全額!?嘘でしょ?もし暴落したら……」
慌てて止めようとする私を、夫は鼻で笑い飛ばしました。
「お前は経済を知らないからそんなことが言えるんだ。この銘柄は絶対に上がる。一ヶ月後には倍になってるさ。そうしたら、お前が欲しがってたハワイ旅行にでも連れて行ってやるよ」
自信満々のドヤ顔。
「俺の金だ、文句を言うな」と取り付く島もありません。
通帳の残高はすでに空っぽ。
夫は毎日のようにパソコンの画面を眺め、「よしよし、来てるぞ」とニヤついていました。
しかし、その慢心が地獄を見るのに、時間はかかりませんでした。
チャートが描く「絶望の垂直落下」
異変が起きたのは、投資からわずか数週間後のこと。
書斎から
「うわぁぁぁ!!」
という夫の絶叫が響き渡りました。
何事かと駆けつけると、夫は顔面蒼白でモニターの前で震えています。
画面に映し出されていたのは、右肩上がりの幸福な未来ではなく、断崖絶壁のように垂直に落下するグラフ――大暴落のチャートでした。
「な、なんだこれ……ストップ安?売れない……?」
企業の不祥事が発覚し、株価は紙屑同然に。
老後資金2000万円が一瞬にして数十分の一に溶けてしまったのです。
「夢だ……嘘だろ……俺の金が……」
床に崩れ落ち、うわ言のように呟く夫。その背中に、私は一枚の緑色の紙をそっと差し出しました。
「なに、これ……離婚届?」
涙目で振り返る夫に、私は冷徹に見下ろして告げました。
「ええ。あなたは退職金を『損切り』したみたいだけど、私はあなたの人生を『損切り』させてもらうわ。老後の破産に付き合う義理はないもの」
夫の絶望的な叫び声を背に、私は荷物をまとめて家を出ました。
投資は自己責任ですが、家族の人生まで巻き込むリスク管理の甘さは、致命的だったようです。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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