GLAM Editorial

【GLAMなオトコ】Vol.14 三浦貴大、ルーツを辿る旅「後ろを振り向きながら歩くのも悪くない」

(C) WIT STUDIO / Tokyo New Cinema

Q.人間の痛みと再生を、とても丁寧に優しく描いた映画です。本作のオファーを受けたときの感想はいかがでしたか?

以前、中川監督の『走れ、絶望に追いつかない速さで』を観ていました。「人の心情やひとつひとつのセリフを丁寧に撮る方なんだろうな」という印象をもっていましたので、「ぜひこの監督の作品にだったら出たいな」と思いました。

Q.中川監督のオリジナル脚本です。本作をどういうものにしたいかなど、監督とお話しされて感じたことはありますか?

話をすると結構ノリのいいお兄さんなんですよ(笑)。年下の監督とご一緒することもなかなかないので、すごく楽しかったですね。コミュニケーションも取りやすく、どんなことを聞いても丁寧に答えてくださいました。僕は日本映画が大好きなんですが、少ないセリフや動きの中で感情を豊かに表現していくのが、日本映画のいいところだと思っています。中川監督も、そういった映画をつくろうとしているんだなと感じていました。

Q.演じた志熊役は、初海に2年間も片思いをしているとても実直な青年です。

とてもまっすぐな人間で、自分の仕事にプライドを持っている男です。そして、蕎麦屋のお姉さんに恋をしている。脚本を読んで「普通の人だなあ」と思ったんです。普通の人って、本当に魅力的なんですよね。そういう意味でもすごくいいキャラクターだし、こういう役をいただけるのはとてもうれしかったです。でも実は、普通の人を演じるのは苦手なんです……。

Q.そうなんですか!? これまでも、普通の人をとても魅力的に演じていらっしゃる印象があります。

朝倉さんも「三浦さんは普通に現場に入って、普通に芝居をして、普通に帰っていくからすごい」と僕の“普通”を褒めてくださるんです(笑)。でも普通って、それぞれ人によって違いますよね。僕の思う普通と、志熊の普通も違う。その微妙な波を作るのがすごく難しいんです。実際のところ、僕と志熊は真逆の人間ですから。仕事の面でもそうです。志熊は“やりたいこと”を仕事にしている男。僕は“自分のできること”を仕事にしているんだと思います。一生懸命に自分のできることをやって、頑張ったことによってお金をもらって、おいしいお酒を飲む(笑)。求めてくださる人がいるからこそ、この仕事を続けられています。本当にありがたいことです。志熊のように“やりたいこと”があって、それをきちんと仕事にできるのは、すばらしいことだと思います。

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