「申し訳ございませんでした」謝り続けた私に一言もなくガチャ切り→他社の通販カタログと見間違えていたお客様の後味の悪さ

「申し訳ございませんでした」謝り続けた私に一言もなくガチャ切り→他社の通販カタログと見間違えていたお客様の後味の悪さ
「3週間経ってもまだ届かない!」本気の怒りが電話口から伝わってきた
私はもともと広告ライターとして仕事をしていたが、ある時期、通販の問い合わせやクレームを受けるコールセンター部門を短期間サポートすることになった。
普段とはまったく違う業務に戸惑いながらも、丁寧な対応を心がけていた。
そんなある日、ひどく本気な様子でクレームを入れてきたお客様がいた。
50代とおぼしき女性の声で、語気は強く、まくし立てるように話してくる。
「3週間前に注文した商品がまだ届いていないんですけど、どういうことですか!」
私はすぐに謝罪し、発注・在庫の担当者に声をかけて一緒に確認作業を始めた。
担当者はパソコンで受注データを次々と検索してくれた。しかし、お客様がしきりに繰り返す商品名がどこにも出てこない。品番を変えて探してみても、類似した商品自体が存在しない。担当者も首をかしげながら「どこのデータにもないですね…」と小声でつぶやいた。
私はいったん電話口に戻り、正直に状況を伝えた。
「大変申し訳ございません。こちらでは該当する商品のデータが見当たらない状況でして、もう少し詳しく商品名や品番を教えていただけますでしょうか」
「あら、別の通販のカタログでした」ガチャ切りと静寂
しばらく沈黙が続いた後、お客様が何かを確認している気配がした。紙をめくるような音がしていた。
そして、間を置いて電話口から返ってきた言葉は、まったく予想していないものだった。
「あら、間違えました。別の通販会社のカタログを見ていたみたいで、そちらの商品はオタクのじゃありませんでした」
言い終えると同時に、ガチャ、という音がした。電話は切れていた。
私はしばらく受話器を持ったまま動けなかった。電話越しに何度も口にしていた言葉が、頭の中で繰り返された。
「申し訳ございませんでした」
それだけ繰り返していた私に対して、お客様からは一言の謝罪もなかった。
別の通販会社に注文した商品が届かないと、間違えて私たちの会社にクレームをかけてきた。
それ自体は誰でも起こりうる失敗だと思う。でも、せめて「すみません、間違えました」の一言があればよかった。
担当者も苦笑しながら「よくあることなんですよね、これ」と言っていたけれど、そのひとことで後味の悪さが消えるわけでもなかった。
謝り続けていた私の言葉は、いったいどこへ向かっていたんだろう。あのガチャ切りの音は、しばらく耳から離れなかった。そんなことを思いながら、私はゆっくりと受話器を置いた。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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