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「あの親戚の話…聞いた?」と離婚話で盛り上がる母。その後、母が語る再婚の計画に思わず唖然

「あの親戚の話…聞いた?」と離婚話で盛り上がる母。その後、母が語る再婚の計画に思わず唖然
静かな実家に響く、不穏な噂話
久しぶりに帰省した実家で、私は母と差し向かいで茶をすすっていた。
穏やかな午後の昼下がり。
しかし、母が不自然に声を潜め、身を乗り出してきたことで、その空気は一変した。
「ねえ、あの親戚の話…聞いた?」
「え、どこのこと?何かあったの?」
「ほら、お母さんの実家の方の。とうとう、あの三姉弟、全員が『バツイチ』になっちゃったのよ」
母の親戚筋にあたるその一家は、地元でも有名な「離婚家系」だった。
末の弟にいたっては二度の離婚を経て、現在は三度目の結婚生活を送っているという。
そんな奔放な姉弟の中で、唯一「真面目一本槍」で通っていたのが、真ん中の長男だった。
「嘘でしょう?あの長男さんまで?」
「そうなの。結婚して20年も経つのに、急に奥さんから三行半を突きつけられたんですって」
驚く私に、母はさらに衝撃の事実を重ねた。長男は妻子にこれまで住んでいた家を明け渡し、着の身着のままで実家へ戻ってきたという。
それだけではない。彼は今、実母と同居しながら、自分が住むことのない「前妻と子が住む家」の住宅ローンを、黙々と払い続けているというのだ。
母の憤りと、拭えない違和感
話が核心に触れるにつれ、母の言葉には熱が帯び始めた。
「信じられる? あの嫁、本当に強欲だわ!恩知らずにもほどがある!」
「……でも、まあ、お互いに納得して決めたことなんじゃないの?」
私がなだめようとしても、母の怒りは収まらない。
「納得も何も、自分が追い出した家のローンを男に払わせ続けるなんて、常識的に考えておかしいでしょう!? だいたいあの嫁、長男の妻のくせに一度も義理の両親と同居もしなかったのよ。勝手に自分たちの家を建てておいて、最後はローンだけ押し付けて放り出すなんて。卑怯すぎるわ!」
母はまるで自分のことのように、顔を真っ赤にして憤っている。
夫婦の間にどのような修羅場があったのか、真相は当事者にしかわからない。
それでも、50歳を前にして実家に戻り、老いた母の面倒を見ながら多額の負債を返し続ける長男の背中を思うと、同情の余地はあるのかもしれない。
しかし、母の口から飛び出した「続き」は、私の同情を一瞬で霧散させた。
現実離れした話
「……でもね、あちらのお母さんも私も、いいご縁があれば彼はまた再婚すべきだと思っているのよ」
唐突な母の提案に、私は耳を疑った。
「えっ、再婚? ……客観的に見て、ちょっと厳しくない?」
すると母は、待っていましたとばかりに、長男本人の「決意」を語り始めた。
「本人もね、かなり気合が入ってるみたいなの。『前の嫁を見返すために、次は20代か30代前半の若い子と結婚してやる!』って息巻いているらしいわよ」
あまりの浮世離れした発言に、口に含んだお茶を吹き出しそうになった。
「ちょっとお母さん、落ち着いて。彼、もうすぐ50歳でしょ?しかも他人が住む家のローンを抱えてる。そうでしょ?」
「ええ、そうね」
「その上、実家でお母さんの介護を見越した同居がセット。さらに、前妻に親権を取られたから『実家の跡継ぎを産んでくれる若い女性』が希望……?」
「……」
私は天を仰ぎ、深いため息をついた。
「そんな条件を飲んでくれる若い女性が、今の時代にいるわけないじゃない。それは希望じゃなくて、ただの無謀よ」
現実を直視できず、過去のプライドと身勝手な夢に縋る長男。そして、それを親戚の情だけで後押しする母。
西日の差し込む茶の間で、私はただ、その埋めようのない認識の相違に、暗澹たる気持ちになるしかなかった。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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