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「8万円貸してほしい」母からの突然の相談。後日、母にお金を貸そうとした瞬間に間違いに気づく【短編小説】
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「8万円貸してほしい」母からの突然の相談。後日、母にお金を貸そうとした瞬間に間違いに気づく【短編小説】
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
お金を貸してと言う母
スマホが震え、画面に表示されたのは実家の母からの信じられない一言。
「至急、8万円貸してほしい」。
驚きで指が止まります。母はこれまで、贅沢とは無縁の堅実な生活を送ってきたはずの人。
困惑して理由を尋ねても、「今は言えない。私を信じて」という返信が来るばかり。
(まさか、新手の詐欺? それとも何か深刻な病気……?)
不安に押しつぶされそうになりながらも、私は必死に貯金を下ろし、その足で新幹線へ飛び乗りました。
直接会って、少しでも力になりたい。その一心だったのです。
到着した実家で、母はどこかソワソワした様子。
久しぶりに見る顔は少し若返ったようにも見えますが、その目はどこか虚ろで不自然な輝きを放っていました。
「本当に用意してくれたのね。ありがとう」
居間のテーブルで、差し出された封筒に母が震える手を伸ばしたその時。
彼女のバッグが音を立てて倒れ、中身が畳の上に散らばりました。
見つけてしまったのは
そこに紛れていたのは、キラキラと輝く派手なデザインの名刺。
「……ホスト?」
拾い上げた名刺には、不自然なほど整った顔立ちの男性と、金色のロゴ。裏面にはびっしりと並ぶ来店スタンプの列。
母の顔から一気に血の気が引いていきます。
問い詰めると、近所の友人に誘われて以来、その刺激的な世界にどっぷりと浸かってしまったというのです。
「あの子が、私を必要としてくれているのよ」
必死に弁解する母の姿に、私は深い絶望……ではなく、ふつふつとした怒りが湧いてきました。
「……悪いけど、このお金は持って帰るね」
私は伸ばされた母の手を遮り、封筒を迷わず自分のバッグにしまい込みました。
「お母さんの寂しさを埋めるのは、私の大切なお金じゃない。自分の良識でしょ。これ以上、自分を惨めにしないで」
呆然とする母を残し、私は立ち上がってすぐに実家を後にしました。
情に流され、あやうく共依存の沼に足を踏み入れるところ。
冷たい娘だと思われるかもしれません。けれど、これが母の目を覚まさせる唯一の道だと確信しています。
帰りの新幹線から見える空は驚くほど青く、私の心はこれまでにないほど、清々しさに満ちあふれていました。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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