Share
「その考え古すぎない?」時代遅れな価値観を押し付ける隣人。隣人が自ら招いた、あまりにも孤独な末路

「その考え古すぎない?」時代遅れな価値観を押し付ける隣人。隣人が自ら招いた、あまりにも孤独な末路
終わらない「時代錯誤」な哀れみ
私の家の隣には、高齢のご夫婦が住んでいます。
挨拶を交わす程度の関係なのですが、顔を合わせるたびにチクリと刺さるおばあさんの嫌味が、私にとって日々の小さな憂鬱でした。
「あらあら、こんなお天気なのに、今日もこれからお仕事?」
「ええ、行ってまいります」
「雨が降ってこんなに冷え込んでいるのに、外に働きに出なきゃいけないなんて、本当に気の毒ねえ」
急いで駅に向かおうとする私の背中に、おばあさんのねっとりとした声がまとわりつきます。
「私はね、主人の収入だけで悠々自適だったから、外に働きに出たことなんて一度もないのよ。女の人があくせく働くなんて、余程家計が苦しいのね。本当にお可哀想に」
顔を合わせれば、いつもこのお決まりのセリフです。
今の時代、女性が仕事を持つのはごく自然なこと。
「その考え古すぎない?」と、私は内心ため息をつきながら聞き流す毎日でした。
身内にも向けられた刃
その隣人夫婦には、すでに独立して家庭を持っている息子さんがいます。
お嫁さんもまた、結婚前から就いていた仕事を熱心に続けている、とても快活で働き者な女性です。
しかし、お盆や年末年始などの帰省シーズンになると、隣の家からどうにも居心地の悪い声が漏れ聞こえてくるのです。
「あなた、まだあの仕事を続けているの?」
「ええ。任されている業務にもやりがいを感じていますし……」
「女が外で働くなんて時代も変わったわね」
どうやらおばあさんは、私に向けていた「女が働く=お金がないから」という偏った思い込みを、実のお嫁さんにも執拗に押し付けているようでした。
「自業自得」な結末
そんな不毛なやり取りが数年続いた結果、事態は動きました。
いつしか隣家でお嫁さんの姿を見かけることはなくなり、大型連休になっても、帰省してくるのは息子さんただ一人という状況が続くようになったのです。
そしてつい最近、ご近所さんとの井戸端会議で、私は決定的な事実を知ることになります。
「ねえ、お隣の息子さん、とうとう離婚されたんですって」
「えっ、そうなんですか?」
「お姑さんがお嫁さんのお仕事にいつまでも口出しして責めるから、とうとう三下り半を突きつけられて、家を出て行ってしまったそうよ」
その顛末を聞いた瞬間、私の心に浮かんだのは「可哀想」という感情ではありませんでした。
「自分の価値観をアップデートできずに押し付けてばかりいるから、そんなしっぺ返しを食らうのよ」
思わず心の中で、静かにガッツポーズをしてしまいました。
時代遅れの言葉を無自覚に刃として振り回した結果、愛する息子夫婦の家庭まで粉々に壊してしまった隣人。
最近はめっきり外出する様子もなく、ひっそりと静まり返った隣の家を見るたび、「完全に自業自得だな」と、つい冷ややかな目を向けてしまう今日この頃です。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
ほかの小説も読む
登場人物から探す
テーマ・シチュエーションから探す
結末から探す
最も人気の短編小説
もっと見る >スカッとする短編小説
もっと見る >モヤモヤ短編小説
もっと見る >ゾッとする短編小説
もっと見る >LINEの短編小説
もっと見る >実体験をもとにした短編小説
もっと見る >
恋愛トラブル
もっと見る >ハラスメント
もっと見る >金銭トラブル
もっと見る >
浮気・不倫
もっと見る >迷惑
もっと見る >仕事のトラブル
もっと見る >非常識
もっと見る >LINE誤爆
もっと見る >思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」
その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
Feature
特集記事

