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「PTAなんて暇な人がやることよ」と言ってたママ友が、突如PTAに立候補してきた。なぜ?【短編小説】

PTAなんて暇な人がやることよと言ってたママ友が突如PTAに立候補してきたなぜ短編小説

「PTAなんて暇な人がやることよ」と言い切ったママ友

新年度が始まり、小学生の息子を持つ私にとって、最も憂鬱な季節がやってきました。そう、PTAの役員決めです。

「どうせまた、誰も手を挙げずに重たい空気になるんだろうな…」

保護者会に向かう足取りは、どんよりとした曇り空のように重たいものでした。

私の脳裏には、去年の今頃、別のママ友と交わした会話がよみがえります。彼女はいつもハキハキしていて、仕事をバリバリこなすキャリアウーマン。ランチの席で、彼女はきっぱりと言い放ちました。

「わかるー。でもさ、結局PTAなんて暇な人がやることよ。うちは下の子も小さいし、仕事も休めないし。絶対に無理」

そのあまりに堂々とした「やらない宣言」に、私は苦笑いしながら「そうだよね、大変だよね」と曖昧に頷くことしかできませんでした。

内心、「そんな風に割り切れたら楽だろうな」とうらやましくさえ思っていたのです。

そんな彼女の言葉を思い出していたら、あっという間に学校に到着。教室はすでに、あの独特の緊張感に包まれていました。

案の定、役員決めの時間になると、誰もがサッと目を伏せ、沈黙が支配します。先生が困った顔で、「どなたか、いらっしゃいませんでしょうか…」と絞り出すような声を上げます。

(ほら、始まった。今年も長くなるぞ…)

私が諦めにも似たため息をつこうとした、その時でした。

彼女が手を挙げた、本当の理由

「はい。私、やります」

凛とした声が響きました。え? と顔を上げると、信じられないことに、あの日「PTAなんて暇な人がやること」と言い放った、あのママ友がスッと手を挙げていたのです。

教室中の視線が彼女に集中します。「え、あの人が?」「仕事してるって言ってなかった?」と、周囲のママたちがざわめくのが聞こえました。私自身、何かの間違いではないかと目を疑いました。

結局、彼女がクラス委員を引き受けることで、その場はあっさりと収まりました。

帰り道、私はどうしても気になってしまい、彼女の隣に並んで尋ねてみました。

「あの…どうして立候補したの? 去年、忙しいって…」

すると彼女は、少し照れたように、でもきっぱりとした口調でこう言いました。

「あー、去年あんなこと言ってたよね。恥ずかしい」

彼女は一度言葉を切り、こう続けます。

「なんかさ、見てられなくて。みんなが下向いて、誰かがやってくれるのを待ってるあの空気が。もちろん暇じゃないよ。暇じゃないけど、でも、誰かがやらなきゃいけないことじゃない? だったら、もう私がやった方が早いかなって。時間は、作るしかないでしょ」

その言葉は、私の胸にストンと落ちてきました。

「暇な人がやる」のではない。「時間を作ってやる」人がいるから、子どもたちの学校生活が支えられている。

今まで「面倒だ」「大変だ」と逃げることばかり考えていた自分が、少し恥ずかしくなりました。彼女の頼もしい背中を見送りながら、来年は私も、何か小さなことでもお手伝いしてみようかな、と、そんなことを考えていました。

 

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

 

 

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