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「また安物?」とバカにするママ友。私の作品がテレビ放映され、彼女が媚びてきたワケとは?【短編小説】

「安物?」と笑うママ友
「あら相川さん、そのポーチも手作り? また安物じゃない」
娘の幼稚園の送り迎えで会うたび、伊集院さんは私の持ち物を値踏みするように見ます。彼女はいつも高級ブランドのバッグや小物で身を固めていて、私のような手作りの布小物を持つ人間を見下していました。
私は昔からちくちくと針仕事をするのが好きで、自分のバッグやポーチ、娘の小物などはほとんど手作りしています。それを知っている伊集院さんは、他のママ友がいる前でわざと大きな声で言うのです。
「私は安物は持てない主義なの。やっぱり、持つものでその人の価値って決まるじゃない?」
周りのママ友たちは苦笑いを浮かべるだけ。私はいつも「これが好きなので」と曖昧に笑っていましたが、心の中はいつもモヤモヤしていました。
趣味がまさかのテレビデビュー
そんなある日のことです。私のささやかな趣味が、思いがけない形で注目を浴びることになりました。
きっかけはSNSでした。趣味で作った布小物の写真を載せていたところ、ある生活情報番組のディレクターさんの目に留まったのです。
「ぜひ番組で紹介させてほしい」と連絡があり、最初は詐欺かと思いましたが、本当の話でした。
数週間後、私は「今注目のハンドメイド作家」としてテレビで特集されました。私の作品がアップで映し出され、リポーターの方が「温かみがあって、デザインも素敵!」と褒めてくださる様子が放送されたのです。
その翌日。いつものように幼稚園へ行くと、伊集院さんが目を輝かせて駆け寄ってきました。
「相川さん、見たわよテレビ! すごいじゃない! ねぇ、あのバッグ、私にも作ってくれない? おいくら? もちろん買うわよ!」
昨日まで「安物」とバカにしていた人が、テレビに出たとたんにこの変わりようです。
私はにっこりと笑って、彼女にはっきりと言いました。
「ごめんなさい、伊集院さん。これはただの『趣味の作品』ですから。それに、ありがたいことに注文が殺到していまして。伊集院さんは『ちゃんとしたブランド物』のほうが、お好きかと思っていましたし」
私の言葉に、伊集院さんは顔を真っ赤にして固まってしまいました。周りで聞いていたママ友たちも、彼女の手のひら返しに気づいてクスクスと笑っています。
自分の「好き」をバカにされ続けた日々。でも、陰で努力を続けてきて本当に良かった。私は胸を張って、娘と手をつないで園の門をくぐりました。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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