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「あんたは気が利かないわね」兄嫁と比べられる私。夫が暴露した『完璧な嫁』のカラクリとは?【短編小説】

あんたは気が利かないわね兄嫁と比べられる私夫が暴露した完璧な嫁のカラクリとは短編小説

「気が利かない嫁」のレッテル

「本当に、彩香さんは気が利かないわねぇ」

月に一度の義実家での食事会。リビングのソファにふんぞり返って座る義母が、私を見もせずに吐き捨てるように言いました。もう何度聞いたか分からないそのセリフに、私は「すみません…」と小さく返すことしかできません。

義母の隣には、夫・直樹の兄である雅也さんの妻、絵里さんが完璧な笑顔で座っています。義母にとって、この絵里さんこそが「完璧な嫁」の象徴なのです。

「それに比べて絵里さんは、いつも気が利くわ。今日もこんなに美味しい煮物を持ってきてくれて。彩香さんも少しは見習ったらどう?」

テーブルに並んだ、確かに美味しそうな煮物。私が何か手伝おうとしても「彩香さんに任せたら時間がかかるから」と、結局いつもキッチンにも立たせてもらえないのです。

夫が明かした「完璧な手料理」の正体

悔しくて唇を噛んでいると、それまで黙ってテレビを見ていた夫の直樹が、ゆっくりと義母の方を向きました。

「母さん、その煮物、美味しいよね」

「そうでしょ! やっぱり絵里さんは料理上手で…」

「駅前のデパ地下の、あそこのお惣菜だよね? 俺も好きだよ、そこの」

直樹の穏やかな、しかしはっきりとした声に、リビングの空気が一瞬で凍りつきました。

「……え?」

義母と、そして兄嫁の絵里さんの顔が同時に引きつるのが分かりました。

「いや、直樹さん、これは私が…」と絵里さんが慌てて口を開こうとしましたが、直樹はそれを遮ります。

「この前、雅也兄さんが言ってたよ。『絵里は料理しないから、母さんが好きそうなお惣菜を買って行かせてるんだ。俺の金で買った惣菜なのに、母さんが絵里の手柄だって大喜びしてるのが面白い』って」

義母は、信じられないという顔で絵里さんを見ています。絵里さんは真っ赤になって俯いてしまいました。

「母さん。彩香が気が利かないんじゃなくて、母さんが彩香に何もさせてないだけだろ。それに、デパ地下の惣菜を『手料理』って嘘つくのと、正直に『買ってきたんです』って言うの、どっちが“気が利く”ことになるのかな?」

直樹の冷静な言葉に、義母は何も言い返せません。さっきまでの威勢はどこへやら、ただ黙り込んでしまいました。

その後の食事会が気まずかったのは言うまでもありません。でも、私の心は不思議なくらい晴れやかでした。帰り道、「ありがとう」と直樹に伝えると、「当たり前のことだ」と彼はぶっきらぼうに、でも優しく笑ってくれました。

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

 

 

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