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新幹線で「席を倒すな!」と後ろから蹴る男。だが、乗務員の一言で、男が赤面した理由【短編小説】

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
「席を倒すな!」新幹線で座席を蹴り上げる迷惑な乗客
出張帰りの新幹線での出来事です。
一日中歩き回ってクタクタだった私は、指定席に座り、少し休もうとリクライニングのレバーに手を伸ばしました。
その瞬間、背後から「ドガン!」と強い衝撃が走りました。
驚いて振り返ると、後ろの席の強面な男性客が、私の座席の背もたれを思い切り蹴り上げていたのです。
「おい! 勝手に席を倒すな! 狭くなるだろ!」
男性は周りにも聞こえるような大声で怒鳴り散らしています。
私はまだレバーに触れただけで、1ミリも倒していません。
しかし、男性の剣幕に押され、「す、すみません……」と謝ることしかできませんでした。
その後も、少し身動きをするだけで舌打ちをされたり、座席を小突かれたりと、嫌がらせは続きました。
恐怖で心臓がバクバクし、居心地の悪い時間を過ごしていました。
すると、騒ぎを聞きつけた車掌さんがやってきました。
男性はここぞとばかりに、車掌さんにクレームを言い始めました。
「倒れておりませんが?」車掌の冷静な一言で赤っ恥
「おい車掌! 前の女が席を倒しすぎて狭くてかなわん! 注意して元の位置に戻させろ!」
男性は完全に自分が被害者だと言わんばかりの態度です。
しかし、車掌さんは私の座席の背もたれと、男性の足元を冷静に確認し、不思議そうな顔でこう言いました。
「お客様……恐れ入りますが、こちらのお客様の座席は、現在の状態が『定位置』でございます。リクライニングは一切使用されておりません」
「は……?」
男性の動きがピタリと止まりました。
そう、私は最初に脅されて以来、怖くて一度も座席を倒していなかったのです。
車掌さんはさらに畳み掛けました。
「お客様のお足元が狭いのは、ご自身のお荷物を足元に広げすぎているからではないでしょうか? 通路の妨げにもなりますので、網棚へ上げていただけますか?」
周囲の乗客からは
「勘違いかよ……」「ただの言いがかりじゃん」
と冷ややかな視線が一斉に注がれます。
男性は顔を真っ赤にして俯き、急いで荷物を片付け始めました。
それ以降、彼が音を立てることは二度とありませんでした。
おかげで残りの時間は、ゆったりと静かに過ごすことができました。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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