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美術館で「マナーがなってない」と非難された私。→警備員に注意されていたのはその人だった【短編小説】

美術館巡りをしていた時のこと
私の名前は栞。
休日に、一人で美術館を巡るのが、何よりの楽しみです。
先日、ずっと心待ちにしていた、印象派の企画展を訪れた時のことでした。
一枚の絵画の前で、その色彩の美しさに、時間を忘れて見入っていました。
作品に夢中になるあまり、ほんの少しだけ、絵に顔を近づけすぎてしまったのかもしれません。
突然、背後から、突き刺すような、冷たい声が聞こえてきました。
『あなた、作品に近すぎますわよ。マナーがなっていませんわね』
振り返ると、そこにいたのは、上品なスーツに身を包んだ、年配の女性でした。
私は、彼女の厳しい視線に、思わず「すみません」と、小さな声で謝罪しました。
彼女は、ふん、と鼻を鳴らすと、優雅な足取りで次の展示室へと去っていきます。
彼女の言葉に、私の心は、少しだけ、ささくれ立ってしまいました。
私を注意した女性の意外な行動とは
気を取り直して、私も次の展示室へと歩を進めました。
すると、先ほどの女性が、一枚の絵の前で、熱心に何かを話しています。
よく見ると、彼女はスマートフォンを片手に、小声で誰かと電話をしているようでした。
静寂に包まれた美術館で、電話で話すというのは、明らかにマナー違反です。
その時でした。
一人の警備員さんが、まっすぐ、彼女の元へと歩み寄りました。
そして、毅然とした、しかし、丁寧な口調で、彼女に告げたのです。
「お客様、申し訳ございませんが、館内での通話は、ご遠慮いただいております。他のお客様のご迷惑となりますので」
展示室にいた、全員の視線が、一斉に彼女へと注がれます。
彼女は、みるみるうちに、顔を真っ赤に染め上げました。
さきほど、私を「マナーがなっていない」と、高圧的に非難した、その口で。
彼女は、誰よりも大きなマナー違反を、平然と犯していたのです。
バツが悪そうに、そそくさと電話を切ると、彼女は逃げるようにして展示室から出ていきました。
他人の、ほんの些細な間違いは許せず、自分の、大きな過ちには、気づかない。そのあまりにも皮肉な光景に、私は、静かな展示室で、そっと、ため息をついたのでした。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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