Share
「体型なんて気にしない」と言った友人。→私が5kg太った途端、陰で言い放った一言【短編小説】

「体型なんて気にしないよ。美咲は美咲だから」
親友のユミは、いつもそう言って私を励ましてくれた。
彼女はとてもおしゃれで、スタイルも良かった。
一方の私は、ダイエットに失敗しては落ち込む、そんな日々を繰り返していた。
それでも、ユミの「ありのままの自分を愛そう」という言葉に、私は何度も救われてきた。
ユミは、私の心の支えだった。
しかし、私の生活は一変した。
仕事のストレスで暴飲暴食を繰り返し、気づけば5kgも体重が増えていた。
お気に入りの服も入らなくなり、鏡を見るたびにため息をつく日々。
そんなある日、ユミと久しぶりに買い物へ行った。
試着室でワンピースを着てみたけれど、ファスナーが上がらない。
私が困った顔をしていると、ユミは少し間を置いてから、笑いながらこう言った。
「この服、美咲にはちょっとキツいかもね」
冗談のつもりだったのかもしれない。でも、胸の奥がチクリと痛んだ。
【衝撃】彼女の裏切りと、崩壊した友情
数日後、私は偶然、会社の同僚たちの会話を耳にした。
その中心にいたのは、ユミだった。
ユミは笑い声を交えながら話していた。
「この間、美咲と買い物に行ったんだけど、試着室で『この服、美咲にはちょっとキツいかもね』って言っちゃったんだよね。そしたら、すごく落ち込んでてさ(笑)」
周りの人たちもクスクス笑っている。
そして、ユミはさらに続けた。
「それにしてもさ、『体型なんて気にしない』って言ったけど、まさかあんなに太るとはね。努力しない女って、本当に見てられないわ」
その瞬間、私の心は完全に崩れた。
あれほど私を励ましてくれた言葉は、私を安心させるためではなく、自分が優位に立つためのものだったのだ。
私は、もう誰の言葉にも頼らない
その日から、ユミとは距離を置いた。
しばらくは彼女の言葉が頭から離れず、鏡を見るのもつらかった。
けれど、少しずつ気持ちが変わっていった。
私が変わりたいと思うのは、彼女を見返すためじゃない。
自分を嫌いなまま生きるのが、もう嫌だったからだ。
生活を整え、体を動かし、少しずつ自分らしさを取り戻していく。
時間はかかったけれど、鏡の中の自分に笑いかけられる日が来た。
あの日の裏切りは、私に「自分の価値を人任せにしない」という覚悟をくれた。
私はもう、誰の評価にも揺らがない。
これからの人生は、私が選び、私が守っていく。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
Feature
おすすめ記事