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「子供はまだなの?」と正月に詰め寄る親戚。夫が笑顔で放ったある皮肉に、空気が凍りつく【短編小説】

子供はまだなのと正月に詰め寄る親戚夫が笑顔で放ったある皮肉に空気が凍りつく短編小説

「女の幸せ」を押し付ける迷惑な叔母

結婚して3年目になります。夫との生活は穏やかで幸せそのものですが、毎年どうしても気が重くなるイベントがあります。

それは、夫の実家への正月の帰省です。義両親はとても良い人たちなのですが、親戚の集まりに必ず顔を出す「ある叔母」の存在が、私にとって最大のストレス源でした。

その年も、親戚一同が集まる座敷で、叔母の独演会が始まりました。
お酒が入り、顔を赤らめた叔母は、私の顔を見るなり大きな声で言いました。

「あら、あなたたち。子供はまだなの?」

座敷中の視線が一斉に私に集まります。
私たちが密かに不妊治療に取り組んでいることなど、叔母は知る由もありません。

「のんびりしてると、すぐ産めなくなるわよ! 女の幸せは子供を産んで一人前なんだから。跡取りもいないんじゃ、〇〇くんも可哀想にねぇ」

デリカシーのかけらもない言葉の数々に、私は悔しさで唇を噛み締め、膝の上で拳を握りしめて耐えるしかありませんでした。場の空気は重くなり、義母もおろおろするばかりで、誰も叔母を止めようとしません。

その時です。それまで黙ってニコニコしていた夫が、私の肩を抱き寄せ、とびきり明るい笑顔で口を開きました。

夫の反撃!赤っ恥をかいた親戚

「あはは、叔母さん。ご心配ありがとうございます。でもね、僕たちは今、勉強しているところなんですよ」

「勉強?」と叔母が怪訝な顔をします。夫は爽やかに続けました。

「ええ。だって、何も考えずに子供を作って、将来その子供に『正月に顔も見せたくない』って疎まれるような親になったら、寂しいじゃないですか。だから僕らは、子供に愛される親になる方法を慎重に学んでるんです。……あ、そういえば叔母さんの息子さん、今年も帰ってきてないんですね?」

夫の放った痛烈な皮肉に、座敷の空気は一瞬にして凍りつきました。

叔母は図星を突かれたのか、顔を真っ赤にして絶句し、パクパクと口を動かすだけ。周囲の親戚も、誰もフォローしようとしません。

叔母の息子さんが実家に寄り付かないのは、親戚中が知っている事実だったからです。

「さて、そろそろ妻を休ませたいので、僕らはこれで失礼します」

夫は固まった叔母を放置して、私を連れ出してくれました。車に戻った瞬間、二人で大爆笑。あの時の叔母の鳩が豆鉄砲を食らったような顔は、一生忘れられません。

今までで一番、最高の正月になりました。

 

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

 

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