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飲み会に行ってくるねと出て行った彼。位置情報アプリが示した場所は私の実家だった?【短編小説】

飲み会に行ってくるねと出て行った彼位置情報アプリが示した場所は私の実家だった短編小説

私の名前は莉奈(りな)です。
付き合って三年になる彼氏の翔太(しょうた)とは、お互いのスマホに位置情報共有アプリを入れています。
束縛のためではなく、災害時などの万が一に備えての、二人のお守りのようなものでした。

昨日の夜のことです。
「ごめん、莉奈。急に会社の飲み会が入っちゃってさ。大事な付き合いだから、行ってくるね」
そう言って、翔太は少し申し訳なさそうに家を出ていきました。

一人でテレビを見ていても、なんだか手持ち無沙汰で、私はぼんやりとスマホを眺めていました。その時、ふと魔が差して、例のアプリを開いてしまったのです。
彼のアイコンは、繁華街の居酒屋ではなく、全く違う場所を指していました。

アプリが表示した場所とは!?

「え…?」

何度も地図を拡大して、私は自分の目を疑いました。
アプリが示しているのは、電車で一時間ほど離れた、私の実家だったのです。
どうして?飲み会だと言っていたのに。しかも、私の実家に、私に黙って一人で…?
頭の中が真っ白になり、嫌な想像ばかりが浮かんでは消えていきます。

彼を問い詰めるべきか、それとも黙って待つべきか。混乱して何も手につかないまま時間だけが過ぎていきました。

スマホに表示されていたのは…

その時、私のスマホが軽快な音を立てて着信を知らせました。画面に表示されたのは、「お母さん」の文字。

「もしもし、お母さん?どうしたの、こんな時間に」
努めて平静を装う私に、電話の向こうの母は、やけに弾んだ声で言いました。
「どうしたのじゃないわよ、莉奈!あんた、翔太さんから何も聞いてないの!?」

「え…?」

「今、うちに来てくれてるのよ。あなたの娘さんと、結婚させてくださいって、お父さんと私に、真剣な顔で頭を下げてくれてるわよ!」

母の言葉に、私はその場にへたり込みそうになりました。
飲み会というのは、私を驚かせるための、彼の不器用な嘘だったのです。
私の知らないところで、彼は一人で覚悟を決め、私の両親に会うという人生の一大イベントに臨んでくれていたのでした。
電話の向こうから聞こえる、緊張した彼の声と、嬉しそうな両親の笑い声。
私は、スマホを握りしめたまま、温かい涙が頬を伝うのを感じていました。

 

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

 

 

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