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「嫉妬深いな」と笑った彼…裏アカのタイムラインが『嫉妬の塊』だった【短編小説】

「美咲は、本当に嫉妬深いな」
彼氏のタケルは、そう言って私の頭をくしゃくしゃと撫でました。
私は会社の飲み会で、男性社員と少し話しただけで不機嫌になる彼を、「愛しているから嫉妬してしまうのかな」と思い、そんな彼を愛おしく思っていました。
しかし、彼の嫉妬は次第にエスカレートしていきました。
私のスマホを勝手に見たり、飲み会の時間を何度も確認したり。
そんな彼の束縛に、私は次第に息苦しさを感じるようになっていました。
【衝撃】完璧な彼の“裏の顔”
そんなある日の夜。彼は友人とオンラインゲームをするため、パソコンを立ち上げていました。
私は隣で本を読んでいたのですが、ふと彼のSNSアカウントが目に入りました。
それは、私が知る彼の公式アカウントとは違う、見慣れないアカウントでした。
好奇心に駆られた私は、彼が席を立った隙に、そのアカウントをこっそり見てみました。
そこに映っていたのは、私が知るタケルとは全く違う男の姿でした。
彼は、私の友人のSNS投稿を隅々までチェックし、その投稿に写っている男性に「馴れ馴れしい」と悪口を書き込んでいました。
さらに、私の写真に写っている男性社員の顔を隠す加工をして、「この男、調子に乗ってる」と投稿していました。
彼のタイムラインは、私への嫉妬と、周囲の男性への憎悪で埋め尽くされていたのです。
彼の本性と、私の決断
「何見てるんだよ」
背後から聞こえた冷たい声に、私は息をのみました。
振り返ると、そこには鬼のような形相をしたタケルが立っていました。
私が彼の裏アカを見てしまったことを知った彼は、逆上して私を責め立てました。
「なんで人の裏アカを勝手に見るんだ!」と。
私は何も言えませんでした。ただ、目の前の男が、私が愛した男とは違うということを悟ったのです。
彼の「嫉妬深い」という言葉は、私への愛情からくるものではありませんでした。
それは、彼の幼稚な支配欲と、独占欲からくるものだったのです。
私は、もう彼に何も期待しませんでした。彼の謝罪も、言い訳も聞きたくありませんでした。
私は、ただ静かに彼のそばを離れることを決意しました。彼の嫉妬は、私への愛情なんかではなかった。それは、私を傷つけるための“暴力”だったのです。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
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