GLAM Editorial

やる気が出ないのは五月病のせい?原因やうつ病との違いについても解説

 

「慣れない仕事で疲れきって、やる気がなくなってしまった」

「休みの日こそ遊びたいのに、なかなかベッドから出れずに1日が終わる」

「疲れやすさやだるさが続いているのはなぜ?」

 

このような悩みや疑問をかかえていませんか?

この春に入学や入社、異動などを経験し、慣れない環境で疲れやゆううつ感を感じている方も多いかと思います。

 

そこで今回は、五月病の原因やうつ病との違い、対処法について薬剤師がご紹介します。

 

1. 五月病とは?

五月病とは、入学や入社、異動といった​環境の変化によって引き起こされる症状の総称です。五月の連休明けごろから症状があらわれることが多いため、五月病と呼ばれています。

 

五月病は俗称であり、医学的には「適応障害」と診断されます。

 

五月病でみられる症状には、以下のようなものが挙げられます。

 

<精神的な症状>

・やる気の低下

・気分の落ち込み

・不安感

 

<身体的な症状>

・だるさ

・食欲不振

・不眠

・疲れやすさ など

 

五月病の症状は、真面目で責任感が強く、完璧主義の方にあらわれやすいといわれています。

 

2. 五月病とうつ病の違いとは

五月病とうつ病の違いは、主に以下の2つです。(※1)

 

・原因が明確か

・原因と思われるストレス要因を排除したときに回復するか

 

<五月病とうつ病の違いの表>

五月病

うつ病

原因

環境の変化によるストレス

不明な場合が多い

ストレス要因を排除した場合の変化

症状が回復する傾向にある

症状がすぐに改善しない場合が多い

 

五月病の原因は、環境の変化による外的なストレスであることに対し、うつ病の原因は、はっきりとわからないことが多くあります。また、うつ病は、関連が疑われるストレス要因を排除しても改善しにくい傾向にあります。

 

五月病はストレス要因を取り除くと軽快することがありますが、放っておくと、本格的なうつ病に進行する場合もあります。不調を感じた場合は心療内科や精神科で相談するようにしましょう。

 

 

3. 五月病から抜け出すための対処法

ここでは、五月病から抜け出すための対処法を3つご紹介します。

 

3-1. 信頼できる友人や同僚と話す

五月病から抜け出すためには、信頼できる家族や友人に不安や悩みを打ち明けることが大切です。今置かれている環境を理解してくれる友人や同僚に悩みを吐き出すだけでも、気分転換になって気持ちが楽になるでしょう。

 

人に話すことに抵抗がある方は、紙やPCに書き出すと思考が整理されるのでおすすめです。

 

3-2. 入浴する習慣をつける

38~40℃くらいのぬるめのお湯にゆっくり浸かることで自律神経のバランスが整い、ストレス軽減効果や疲労解消の効果が期待できます。

 

日ごろはシャワーで済ませている方も、湯船に浸かることでからだの軽さや気分の変化を感じるかもしれません。

3-3. セロトニンの材料となる食材を摂る

セロトニンとは脳内の神経伝達物質であり、体内で不足すると、やる気の低下や不安、不眠といった症状が出やすいといわれています。

 

体内のセロトニンを増やすには、大豆製品や卵、バナナ、アーモンドなどの食材を積極的に摂ることがおすすめです。

 

4. 五月病対策には漢方薬もおすすめ!

五月病対策として、人に話して思考を整理することや、入浴・食事といった生活習慣の工夫をご紹介しました。それらの工夫に加えて、根本的な体質改善を目指せる漢方薬の活用もひとつの方法です。

 

五月病の原因は入学や入社、異動や引っ越しといった環境の変化によるストレスです。

 

五月病の症状を改善するには、

・気分の落ち込みを改善する

・ホルモンバランスの乱れを改善する

・血流をよくして自律神経の乱れを整える

・消化・吸収機能を改善してからだの内側から心を元気にする

といった働きをもつ漢方薬を選びます。

 

漢方は心とからだ全体のバランスを整えるので、自律神経の乱れの改善を得意としています。自律神経が整うことで、疲れにくく、落ち込みにくい体質を手に入れられるでしょう。

 

ここでは、五月病対策におすすめの漢方薬を2種類ご紹介します。

 

<五月病の症状に悩む方におすすめの漢方薬>

 

・抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ):「肝」の高ぶりを抑えて自律神経系の調節をしながら「血(けつ)」(栄養)を補い、「気(き)」(エネルギー)「血」をめぐらせる漢方薬です。ストレスによる心やからだへの影響を和らげ、イライラや抑うつといった神経症状、不眠などを改善します。(※2)

 

・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):精神不安、動悸、不眠などに効果がある漢方薬です。「気(き)」(エネルギー)のめぐりをよくすることで、心とからだの状態を安定させることができます。疲労やストレスで精神的に不安定な状態や、心身の不調にお悩みの方におすすめです。(※3)

 

漢方薬を選ぶ際には、自分の症状や体質に合ったものを選んでいるかどうかが重要です。症状や体質に合っていないと効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が出てしまう可能性もあります。

 

ただ、自分に適した漢方を自分で見つけることはなかなか難しいですよね。

 

最近では、AI(人工知能)を活用した「あんしん漢方」のようなオンライン相談サービスも登場してきました。AIを活用し、漢方のプロが自分に適した漢方を見極めて、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」が可能です。ぜひ活用してみてください。

 

あんしん漢方

 

5. 完璧主義をやめて周りを頼ろう

やる気の低下やだるさといった五月病の症状を改善するためには、悩みや不安を周りに相談して吐き出すことが大切です。

 

相談できる人が周りにおらず、忙しくて生活習慣を整える余裕もないという方は、専門家の指導の元で漢方薬を活用する方法もあります。

 

五月病の症状がなかなか治まらずに長期化するような場合は、無理せず心療内科や精神科などの医療機関を受診し、医師に相談してくださいね。

 

 

参考文献

(※1)北海道立 向ヶ丘病院 医療コラム No.4 適応障害

https://kouyougaoka.hospital.pref.hokkaido.lg.jp/news/column/577/

(※2)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ抑肝散加陳皮半夏エキス顆粒(医療用)」

https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=9587

(※3)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ柴胡加竜骨牡蛎湯エキス顆粒(医療用)」

https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=7943

 

<この記事を書いた人>

 

 

 

あんしん漢方薬剤師
稲嶺 千春(いなみね ちはる)
北陸大学薬学科卒業後、製薬企業や調剤薬局に勤務。
様々な経験をする中で、対症療法ではなく、漢方による根本治療の大切さを実感する。漢方薬の力をより多くの方に広めるために、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選び、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」で情報発信をしている。
あんしん漢方(オンラインAI漢方)

 

 

 

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