映画『つぐない』などで知られる実力派女優のシアーシャ・ローナン(Saoirse Ronan、21)は、最新作出演映画『Brooklyn(原題)』が来月全米公開。
同映画は、1950年代、故郷アイルランドにも心を残しながら米国に移民する主人公エイリス・レイシーを描いた歴史劇。自身もアイルランド人の両親の子供でアメリカとアイルランド双方の国籍を持つシアーシャにとって、エイリスが物語の中で暮らすニューヨークの家が、シアーシャが育った家から車で20分ほどで行ける場所の設定になっていることもあり、普段演じる役以上に大いに心が揺さぶられる経験になったようだ。
「役を演じる時は、状況も性格もまったく似ていないひとをどう演じるかがいつもは重要なのだけれど」と、Backstageに対してシアーシャは語っている。
「この映画のダンスホールに出てくれたエキストラのひとたちの一部は、わたしが子供時代に一緒にバスケをしたひとたちだったの。自分に重なることが多すぎる役を演じるのは、すごく恐ろしいことだった。まるで鏡に顔を近づけて、怖いのだけれど目を離せないような感じ。映画の撮影中、ずっと感情が昂ぶって涙をいっぱい流していたわ」
アカデミー助演女優賞にノミネートされた『つぐない』や、『グランド・ブダペスト・ホテル』など大作映画に出演してきたシアーシャだが、アイルランド移民を扱った作品には、よほど内容が納得行くものでないと出演したくなかったと認める。しかし、脚本を担当した英国作家ニック・ホーンビィ(Nick Hornby)の正確な描写に心を打たれて、『Brooklyn』への出演を決めたという。
「どうして出来るのか知らないけれど、アイルランド系の精神みたいなものを完全に掴んでいらっしゃるのよ。それをぴったりやってのけられるひとって、珍しいの。詩情と独特な語り口があるわ」
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