MENU

Share

HOME LIFESTYLE STORY COLUMN

「これやっといて」先輩から急に振られた仕事→完了報告するも、先輩の対応にイラッとしたワケ【短編小説】

「これやっといて」先輩から急に振られた仕事→完了報告するも、先輩の対応にイラッとしたワケ【短編小説】

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

急に振られて仕事

午後のオフィス。

キーボードを叩く音だけが響く静かな空間に、ようやく自分のタスクに区切りがつきそうだったその瞬間、背後から無造作な声が降ってきました。

「悪いけど、これやっといて。今日中でいいから」

振り返ると、デスクに置かれたのはずっしりと重みを感じる分厚い資料の束。

内容は、細かなデータの打ち込みと複雑なグラフの作成です。こちらの状況を確認することもなく、先輩は足早に会議室へと消えていきました。

山積みの自業務。

それでも、後輩の私に断る選択肢などありません。

「よし、やるしかない」と気持ちを切り替え、私は一心不乱にパソコンの画面と向き合いました。一瞬の油断も許されない、神経を削るような作業の連続。

目まぐるしく過ぎる時間の中で、なんとか定時前に全てのデータを形にすることができました。

やり遂げたという、小さくも確かな達成感。私は一度深呼吸をして、社内チャットツールを立ち上げました。

「お疲れ様です。ご依頼いただいた件、完了しました。共有フォルダに格納済みですので、お時間のある時にご確認ください。よろしくお願いいたします」

失礼のないよう丁寧に言葉を選び、送信ボタンをクリック。あとは「ありがとう」や「助かったよ」の一言があれば、この疲れも報われる。そんな淡い期待を抱きながら、私は温くなったコーヒーで喉を潤しました。

すぐに届いた、通知の音。期待に胸を躍らせてチャット画面を開いた私の目に飛び込んできたのは、予想だにしない光景でした。

悲しいリアクション

私の報告メッセージに対する、ピンク色の「❤️」のリアクション。たった一つ、それだけ。

数分待っても、文字が入力されている気配はありません。画面の中で無機質に、そしてどこか場違いに跳ねるハートマーク。

デジタル化が進んだ現代、リアクション機能一つで意思疎通ができる便利さは理解しています。

けれど、急ぎの仕事を完遂した報告に対して、指先一つの操作で済まされる寂しさ。

自分の数時間の努力が、記号一つで片付けられたような虚無感が胸の中に広がりました。

仕事上の関係で「ハート」というチョイスも、どこか距離感を履き違えているようでモヤモヤします。

親しさを演出しているつもりかもしれませんが、私にとっては「感謝の五文字を打つ手間」さえ惜しまれた証拠。

その事実に気づいた瞬間、どっと重い疲労が押し寄せてきました。

便利な道具だからこそ、使い手の誠実さが問われるもの。

スマホの画面を見つめながら、私は強く思いました。感謝の気持ちは、ちゃんと自分の言葉で届けよう。

このモヤモヤを反面教師にすることを心に決め、私は静かに席を立ちました。

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

PROFILE

GLAM Lifestyle Editorial

編集部

日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。

website
前の記事

「俺は常連だぞ!」と予約なしで高級寿司店に乗り込む男。大将が笑顔で見せた『リスト』に絶句【短編小説】

GLAM Lifestyle Editorialのすべての記事を見る

Gallery

SHARE !

この記事をシェアする

Follow us !

GLAM公式SNSをフォローする

Feature

特集記事

Ranking