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「若い子がいい」と浮気した彼。→数年後、婚活会場でバッタリ再会【短編小説】

「…ごめん。やっぱり、若い子がいいんだ」
彼氏のタツヤは、そう言って私を捨てた。
付き合って3年。私は当時28歳、彼は25歳だった。彼は「美咲は落ち着きすぎてる。もっと刺激的な恋がしたい」と、私と別れた後、すぐに若い女性と付き合い始めたと聞いた。
彼の言葉は、私の心を深くえぐった。私がこの先、どんなに頑張っても、若さだけはどうしようもない。そう思うと、私は絶望の淵に突き落とされた気分だった。
それから数年。私は仕事に打ち込み、キャリアを築いた。
恋愛からは遠ざかり、結婚なんて考えられなくなっていた。そんなある日、友人に誘われて、私は人生で初めて「婚活パーティー」に参加することになった。
「若い子がいい」と言った彼と、婚活会場で再会
会場は、きらびやかなドレスを着た女性たちと、スーツ姿の男性たちで賑わっていた。
私は場違いな気がして、隅の方で一人、ワインを飲んでいた。すると、見慣れた顔が私に声をかけてきた。
「…美咲?」
そこにいたのは、タツヤだった。彼は、あの頃よりも少し老けて見えたが、顔はあの頃と何も変わっていなかった。彼は、私を認識すると驚きで固まっていた。
「久しぶりだね、タツヤ」と、私は微笑んだ。彼は言葉に詰まりながら、私の隣に座った。
彼は、私と別れた後も、年下の女性とばかり付き合ってきたが、なかなか結婚には至らず、この婚活パーティーに参加したのだと、寂しそうに話してくれた。
彼の言葉と、私の決断
「美咲は、昔と全然変わらないな」
彼はそう言ったが、私はもうあの頃の私ではなかった。彼の言葉に傷つき、自信を失っていたあの頃の私とは違う。
私は、仕事で成功し、自分の力で人生を切り開いてきた。そして何より、自分を愛してくれる人を大切にしようと心から思えるようになった。
彼は「もう一度やり直せないか」と、私に必死で懇願してきた。
しかし、私はもう彼の言葉に心が揺れることはなかった。
「タツヤ、ごめん。私はもう、あなたといる未来は見えないから」と、私は静かに告げた。
「若い子がいい」と私を捨てた彼。数年後、彼は婚活会場で孤独に、そして、私は自信に満ち溢れて、新しい未来へ向かおうとしていた。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
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