Share
「専業主婦ってヒマでいいわね」と言ってた働くママが、なぜか突然退職して専業主婦に、実は…【短編小説】
専業主婦はヒマと言ってくるママ友
私は、いわゆる専業主婦です。
子どもを幼稚園に送った後、掃除や洗濯、買い物を済ませ、午後は公園に連れて行ったり、習い事に付き添ったり。
それが私の日常です。
近所に、いつもパリッとしたスーツを着こなし、朝早くから夜遅くまで働いているママがいました。
私とは生活リズムが全く違うので、顔を合わせることは少なかったのですが、たまに土日の公園で会うことがありました。
ある日、彼女が私にこう言ったんです。
「専業主婦ってヒマでいいわね。私は毎日、時間に追われて目が回りそうだわ」
その言葉に、私は少しだけ胸がチクリとしました。 確かに、会社勤めの大変さに比べたら、私の毎日は「ヒマ」に見えるのかもしれません。
でも、子育てと家事に終わりはなく、それなりに慌ただしいものです。
「そうですよね、お仕事大変ですね」
私は曖昧に笑って、その場を離れました。
ママ友の意外な結末
それから数ヶ月が経ったころ。
ぱったりと彼女の姿を見かけなくなりました。 「そういえば、あの人、どうしたのかしら」 そう思っていた矢先、別のママ友から驚きの噂を聞いたのです。
「あの人、会社、辞めたらしいわよ」
耳を疑いました。
あんなに仕事をバリバリこなし、自信に満ち溢れていた彼女が、なぜ？
数日後、平日の昼下がりのスーパーで、私は偶然、彼女に再会しました。
いつもと違う、ゆったりとしたTシャツにデニムというラフな服装。
化粧も薄く、以前のピリピリした雰囲気がありません。
「あ、こんにちは…」 思わず声をかけると、彼女は驚いた顔をして、すぐにふわりと笑いました。 「こんにちは。お久しぶりです」
「あの…お仕事、辞められたって…」 失礼かと思いつつも、つい聞いてしまいました。
彼女は、買い物かごを一度置き、小さく息をつきました。
「そうなの。辞めちゃった」
「実は、上司とどうしても合わなくて…。毎日終電近くまで働いて、家に帰っても子どもは寝てるし。ある朝、泣きながら『ママ、行かないで』って言われて…私、何のために働いてるんだろうって、プツンと糸が切れちゃって」
彼女の目には、少し涙が浮かんでいるように見えました。
「今は、こうやって子どもとゆっくりご飯作ったり、公園でのんびりしたり。こういう時間が、こんなに大切だったなんてね」
以前、私に「ヒマでいいわね」と言ったことを、彼女は忘れているかもしれません。
でも、その時の私には、そんなことどうでもよくなっていました。
「そうだったんですね。お疲れ様でした」 気がつくと、私は彼女に深々と頭を下げていました。
働くママも、専業主婦も。
他人の物差しで「楽そうだ」とか「大変そうだ」とか、簡単に決めつけてはいけない。
みんな、外からは見えない事情を抱えながら、その時々で一番いいと思う道を選んで、必死に生きているんですよね。
「お互い、頑張りましょうね」 私たちは、どちらからともなくそう言って、野菜売り場で笑い合いました。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
心に響くストーリーをもっと読みたい方
【他のおすすめ短編小説を見る】
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
友だち登録＆アンケート回答で「Amazonギフトカード」など好きな商品を選べるギフトを毎月抽選で５名様にプレゼント！
＼ 今すぐ応募する ／
Gallery
SHARE !
この記事をシェアする
Follow us !
GLAM公式SNSをフォローする
Feature
おすすめ記事
