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【床下の住人・後編】「聞こえてるんでしょう?」郊外の古い一軒家、床下から聞こえる謎の声【長編小説】

あの夜から、私は家にいるのが怖くなった。
寝室の電気をつけっぱなしにしても、床下の方から“何かが動く気配”は止まらない。
何度も引っ越そうと思ったけれど、契約したばかりでお金もない。
せめて確かめよう。そう思って、地元の工務店に連絡した。
床下を開けた結果
翌日、大工さんが床を開けてくれた。
畳をどかすと、そこには古い板が打ちつけられていて、明らかに“後から塞いだ跡”があった。
「ずいぶん雑な仕事ですね」と言いながら、板を外すと、下には階段が続いていた。
懐中電灯の光を向けると、木の壁には古びた手形がいくつも残っていた。
埃をかぶった棚、古新聞、そして鉄のベッド。
部屋の隅に、湿気でボロボロになったノートが落ちていた。
ページをめくると、震えるような字でこう書かれていた。
「娘が帰ってこない」「家の下にいる」「声がする」「でも掘り返せない」
私はすぐに家を飛び出した。
不動産屋に駆け込み、あの管理人に会わせてほしいと頼んだ。
だが、担当者は困ったように言った。
「管理人の○○さん、去年亡くなりましたよ」
私が話したのは誰?
頭が真っ白になった。
だって、私は昨日、その人と話したのだ。
黒い帽子をかぶった、小柄な老人。あれが……誰だったのか。
荷物をまとめ、最後にもう一度だけ家に戻った。
玄関を開けると、床下から風が吹き上がった。
見ると、塞いだはずの穴が――また開いている。
その中から、かすれた声が聞こえた。
「……また、住みにきたの?」
私は悲鳴を上げて逃げ出した。
振り返ると、家の下の暗闇の奥で、誰かがゆっくりと“笑って”いた。
――それが、最後に見た光景。
今、あの家はもう取り壊されている。
けれど、近所の人が言っていた。
新しく建てた家の住人が、「夜中、床下から笑い声がする」と。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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