Share
「未来が見えない」と私を捨てた元彼。→5年後、彼の人生を左右する『最終面接官』になった私【短編小説】

「美咲との未来が、俺にはどうしても見えないんだ」
5年前、大学時代から付き合っていた元彼・健司は、そう言って私を捨てた。納得のいかない理由に、彼の背中が遠ざかるのを立ち尽くして見ていることしかできなかった。私の心にはぽっかりと穴が空いたようだった。
痛みを力に変えた5年間
失恋の痛みを乗り越え、私は健司を見返すため、そして彼の言葉を覆すためにがむしゃらに働きました。資格取得のために勉強し、プレゼン資料を何度も作り直し、仕事に打ち込む日々。5年後、私は憧れだった業界トップの大手企業で、部長代理のポジションに就いていました。
突然の再会、そして運命の最終面接
「次の方、どうぞ」
最終面接官の席に座る私の目の前に現れたのは、私を捨てた元彼・健司でした。彼は私に気づいていない様子で、緊張した面持ちで自己紹介を始めました。彼の合否は、この最終面接でほぼ決まります。そして、彼の目の前には、私なのです。
健司は自信満々に「未来」について熱弁しましたが、私は静かに質問を投げかけました。
「過去に挫折した経験はありますか?」
私の問いに、健司は言葉に詰まり、ようやく私に気づきました。面接後、私は最終的な判断を伝えました。
「残念ながら、今回は不採用とさせていただきます」
悔しそうに肩を落とす健司の姿を見ながら、私は静かに微笑んでいました。あの頃、彼に「未来が見えない」と言われ、自信を失いそうになった私。今は、自分の力で未来を切り開き、誰かの未来を左右するほどの力を持っていたのです。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
Feature
おすすめ記事