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「パパが帰ってきたのかな?」開けっ放しの窓、1階で響いた謎の音。呑気に昼寝を続けていた私の背筋が凍ったワケ

「パパが帰ってきたのかな?」開けっ放しの窓、1階で響いた謎の音。呑気に昼寝を続けていた私の背筋が凍ったワケ
消えた小銭と夫の推理
長女が1歳の誕生日を迎えて間もない、ある春の日のことでした。
穏やかな日差しが差し込む午後、私は家中の窓をいっぱいに開け、心地よい風を感じながら過ごしていました。
1階のリビングで娘と昼食をとり、ひとしきり遊んだ後、私たちは2階の寝室へ。ベッドに並んで、静かなお昼寝タイムに入りました。
ふいに階下から異音が耳に届きました。
「コトッ……ガタガタッ」
(あれ?パパが何か取りに帰ってきたのかな……)
寝ぼけた頭でそんな風に解釈し、私は再び深い眠りの底へと沈んでいきました。
目を覚ますと、窓の外はすでに夜の闇に包まれていました。
仕事から帰った夫は、一足先にお風呂に入っているようです。私も1階へ降りてリビングの明かりをつけた瞬間、棚の上にある”違和感”に気がつきました。
「あれ、貯金箱の向きが違う……」
何気なく持ち上げてみると、不自然なほど軽いのです。
日々の買い物で出た小銭をコツコツ貯めていたので、ずっしりとした手応えがあるはずなのに。上下に振ってみても、チャリンという音ひとつ鳴りません。
私はその空っぽの貯金箱をひっつかみ、浴室へと急ぎました。湯船でくつろぐ夫に向かって、単刀直入に問い詰めます。
「ちょっと、これ中身開けたでしょ?」
急に疑われた夫は、目を丸くして振り返りました。
「は? 俺じゃないよ」
夫は濡れた手で貯金箱を受け取ると、底面を指差して言いました。
「見てみろよ、封印シールの跡。俺ならこんな力任せに破り取ったりしないって」
確かに、シールは綺麗に剥がされたのではなく、爪で乱暴にこじ開けられたような惨状でした。
「本当だ、パパの仕業じゃない……」
納得してリビングに戻った私の視線は、吸い寄せられるように別の引き出しへ。そこには、長女が初めてもらったお年玉が大切にしまってありました。
血の気が引く思いでポチ袋の中身を確かめると、娘の生まれ年が刻印された記念の五百円玉は、跡形もなく消え去っていたのです。
靴の跡が物語る、見えない脅威
被害は少額とはいえ、見知らぬ誰かが我が家に侵入したという厳然たる事実。
恐怖で震える指を必死に動かし、110番に通報しました。
ほどなくして駆けつけた鑑識の捜査員たちは、窓辺から棚周辺にかけて、特殊なアルミ粉を慎重に塗布していきました。
「奥さん、ここを見てください。靴の跡が残っています」
捜査員が指し示したのは、春の風を入れるために開け放していた窓のサッシ。そこには、スニーカーの靴底の模様がはっきりと浮かび上がっていました。
白昼堂々、開いた窓から何者かが侵入し、我が家を物色していたのです。
「指紋検出のため、この袋はお預かりします。薬品処理で変色や破損の恐れがありますが、よろしいですか?」
そう説明され、私は無念な思いで空っぽのお年玉袋を警察に託しました。
後日、幸いにも袋は元の形を保ったまま手元に戻ってきましたが、肝心の犯人が逮捕されることはありませんでした。
この事件を境に、私の防犯意識は劇的に変わりました。
戸締まりは何度もしつこいほど確認するようになり、それでもしばらくの間は、無人の我が家に帰るのが恐ろしくてたまりませんでした。
玄関のドアノブに手をかけるたび、心臓が早鐘のように鳴るのです。
「コトッ……ガタガタッ」
あの昼下がり、ベッドの中で聞いた微かな音。あれは泥棒が我が家を荒らしている最中の音だったのです。
もしあの時、不審に思って私が1階に降り、犯人と鉢合わせしてしまっていたら……。想像するだけで、今でも背筋が凍りつきます。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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