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「たまたま被ったのね」息を吐くように手柄を奪う上司。そんな上司から自分を守り抜いた、小さな抵抗とは

「たまたま被ったのね」息を吐くように手柄を奪う上司。そんな上司から自分を守り抜いた、小さな抵抗とは
20代後半、キャリアアップを目指して飛び込んだ新しい職場。
面接の際に人事担当者が誇らしげに語った「若手の挑戦を全力で後押しする社風」という言葉に、私は大きな希望を抱いていました。
しかし、そこで私を待ち受けていたのは、理想とはかけ離れた泥沼の現実だったのです。
私の直属の上司は、ハキハキとした物言いで面倒見も良さそうな女性でした。
ところが、彼女の真の姿は「有能な部下の成果を平然と搾取する」タイプだったのです。
配属からしばらくして、私は数週間かけて練り上げた新規企画書を彼女に提出しました。
「お疲れ様です。先日お渡しした企画案、いかがでしたでしょうか?」
「あー、あれね。目の付け所は悪くないんだけど、今のうちのフェーズには合わないかな。残念だけど今回はナシってことで」
あっさりと突き返され、肩を落とした私。
しかし、それから数週間後の定例会議で、私は自分の耳を疑うことになります。
「現在の部署の課題をクリアすべく、私から新しいプロジェクトを提案させてください」
自信に満ちた表情で上司がプレゼンし始めたのは、間違いなく、私が「ナシ」にされたはずのあの企画でした。
「さすがだ、素晴らしい着眼点だね!」と役員たちが手放しで絶賛する中、私は声を発することもできず、ただ血の気が引いていくのを感じていました。
偶然の一致?確信に変わった違和感と底知れぬ悔しさ
その一件が「気のせい」ではなかったことは、すぐに証明されました。
私がリサーチして共有したデータや、メールで送ったちょっとした提案が、いつの間にか「彼女のひらめき」として社内で発表されるようになったのです。
そんな理不尽な事態が続き、私はたまらず彼女を呼び止めました。
「あの、先ほどの会議での提案ですが……私が先日お出ししたものと瓜二つに見えたのですが」
「え、そうだった? たまたま発想が被っちゃったみたいね。でも、あれを役員が納得するレベルまで昇華させたのは私だから」
勇気を振り絞った抗議も虚しく、彼女は悪びれるどころか涼しい顔で言い放ちました。
社内での発言権が強く、上層部にも可愛がられている彼女に対し、周囲の同僚たちはトラブルを恐れて見て見ぬふり。
(このままじゃ、私の努力は全部この人に吸い取られてしまう……)
絶望感と悔しさで、仕事に対する情熱はみるみる失われていきました。
しかし、ここで感情的になって騒ぎ立てれば、「和を乱す扱いにくい部下」というレッテルを貼られるのは火を見るより明らかです。
私は、彼女から「自分の身とキャリアを守る」ための静かなる防衛戦を始めることにしました。
抜け道を作らせない「可視化」作戦。泥沼から抜け出すための自衛策
私が実行に移したのは、仕事のプロセスを徹底的に「オープン」にすることでした。
「新規プロジェクトの草案を作成いたしました。ご査収のほどよろしくお願いいたします。皆様からの忌憚のないご意見をお待ちしております」
それまでは上司宛てに送っていた提案メールを、チーム全員をCCに入れて送信するようにルールを変更したのです。
誰が一番最初にそのアイデアの種を蒔いたのか。周囲の目がある場所で「動かぬ証拠」を積み上げることにしました。
さらに、会議での立ち回りも変えました。
「事前に皆様にCCでお送りした資料にも記載しましたが、今回の提案のコアとなるのは〇〇です。詳細をご説明しますと……」
上司が手柄顔で話し始める前に、自らマイクを握り、企画の経緯やポイントをアピールするようにしたのです。このささやかな抵抗の繰り返しが、強固な防波堤となっていきました。
「最近の君のアイデア、すごく的を射てるね!」
他部署の先輩からそう声をかけられた時、ようやく「私自身の成果」として認められ始めたのだと確信し、胸の奥が熱くなりました。
証拠が残るようになったことで上司の手柄泥棒も徐々に減っていき、最終的に私は自ら部署異動を希望。
現在は、私の仕事を真っ当に評価してくれる上司の下で、充実した日々を送っています。
あの苦い経験から得た教訓は、「誰も認めてくれない」と嘆く前に、「認めざるを得ない客観的な事実」を自分で作ることの重要性です。
理不尽な他人の性格を変えることは不可能でも、正しい対処法と防衛策を持っていれば、自分のキャリアを守り抜き、前へ進むことができるはずです。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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