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「これ絶対つけられてるじゃん」コンビニ帰りの夜道、背後の足音に耐えきれず振り返った結果

「これ絶対つけられてるじゃん」コンビニ帰りの夜道、背後の足音に耐えきれず振り返った結果
深夜のコンビニ帰り
深夜、コンビニエンスストアからの帰り道でのこと。
弁当の入ったレジ袋をぶら下げて歩く住宅街は、不気味なほどに静まり返っていました。
ポツポツと点在する街灯の明かりだけを頼りに進む、なんとも心細い時間帯。
「うっわ、冷えるな……。早く帰ってメシにしよう」
白い息を吐き捨て、足早に家路を急いでいたときでした。
背後から「カツン、カツン」という、一定の規則正しい足音が聞こえ始めたのです。
最初は偶然だろうと高を括っていましたが、僕が歩調を速めると、背後の音も明らかにピッチを上げてついてきます。
(……マジかよ、これ絶対つけられてるじゃん)
ドクン、ドクンと嫌な動悸が激しくなります。試しに道を左右に蛇行してみても、足音はつかず離れずの距離をキープしたままでした。
「このままアパートを特定されるわけにはいかない……!」
恐怖と焦りが頂点に達した僕は、角を曲がった直後にピタリと足を止め、意を決してバッと後ろを振り返りました。
「……えっ?」
街灯の下に立っていたのは、刃物を持った不審者でも、柄の悪い男でもありませんでした。
両手にパンパンに詰まったゴミ袋を提げた、近所に住む顔見知りのおじいさんだったのです。
いきなり振り返った僕を見て、おじいさんは目を丸くして硬直しています。
「おおっ、びっくりした……。こんばんは。もしかして、驚かせてしまったかな?」
いつもの穏やかなトーンの、聞き馴染みのある声。
どうやら、おじいさんが夜中のゴミ出しに行くルートと僕の帰り道が、偶然にも完全に被っていただけらしいと理解しました。
「用心深くて結構!」張り詰めた空気を和ませた温かい言葉
「あ、すみません! てっきり誰かにつけられてるんだと勘違いしてしまって……!」
極度の緊張から解放され、その場にへたり込みそうになる僕。
そんな僕を見て、おじいさんは申し訳なさそうに苦笑いをして言いました。
「ははは、そりゃあ悪かったね。ずっと同じ方向だったから、怖い思いをさせちゃったな。ごめんよ」
「いやいや、僕が勝手にパニックになってただけなんで。なんだか恥ずかしいです」
照れ隠しに頭をかく僕に向かって、おじいさんは少し真剣な表情になり、優しく語りかけてきました。
「いや、兄ちゃんのその警戒心は正しいよ。最近は物騒だからね。いくら若い男の人だって、こんな暗闇じゃ何に巻き込まれるか分かったもんじゃない。その用心深さは、これからも忘れちゃいかんな」
説教くささは微塵もなく、ただ純粋にこちらの身を案じてくれる温かい言葉でした。
「……はい、ありがとうございます。これからも気をつけます」
先ほどまで背筋を凍らせていた恐怖心が、おじいさんの言葉でじんわりと溶かされていくのを感じました。
「それじゃあ、おやすみ。気をつけて帰るんだよ」
「おやすみなさい。おじいさんも、夜道お気をつけて」
ゴミ集積所へと向かう小さな背中を見送る頃には、恐怖で冷え切っていたはずの体もすっかり落ち着きを取り戻していました。
ただ不気味だった深夜の帰り道が、ほんの少しだけ心地よい空間に変わった、冬の夜の小さな出来事です。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、20代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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