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「お釣り多かったラッキーw」とSNSで自慢する若者。だが、SNSで炎上し痛い目にあった話【短編小説】

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
お釣りをごまかす彼
あの日、私たちは少しおしゃれなカフェでランチをしていました。
お会計を済ませて店を出た直後、彼がニヤニヤしながら財布の中身を見せてきたのです。
「見て!店員、間違えて5千円札でお釣りよこした。ラッキー、今日の飯代タダじゃんw」
本来なら千円札であるべきお釣りが、五千円札になっていたようでした。
私はすぐに「返してきなよ、後でバレたら大変だよ」と諭しました。
でも、彼は聞く耳を持ちません。
「向こうのミスだし、バレるわけないって」と笑い飛ばし、あろうことかその五千円札とレシートの写真を撮り、SNSに投稿してしまったのです。
『お釣り多かったラッキーw 店員アホすぎw』という軽い言葉を添えて。
炎上したSNS
異変が起きたのは、それからわずか数時間後のことでした。
彼のスマホの通知音が、異常な勢いで鳴り始めたのです。
画面を覗き込むと、彼の顔からサーッと血の気が引いていくのが分かりました。
「これ、駅前の〇〇カフェじゃん」
「レシートに時間書いてあるから特定余裕」
「犯罪自慢乙。店に通報しました」
投稿に写り込んだレシートの端や、テーブルの模様から、またたく間に店が特定されてしまったのです。
さらに過去の投稿から、彼の大学やアルバイト先まで晒される事態に発展しました。
ネット上の人々による「特定」のスピードは、私たちの想像を遥かに超えていました。
慌てて投稿を消しましたが、もう手遅れです。
スクリーンショットは拡散され続け、翌日には大学やバイト先にまで苦情の電話が入りました。
結局、彼は店に謝罪に行きお金を返しましたが、バイトはクビになり、大学でも厳重注意を受け、居場所を失ってしまいました。
もちろん、私はそんな常識のない彼とはすぐに別れました。
ほんの少しの出来心と、承認欲求。
それが一生消えない「デジタルタトゥー」として残る怖さを、私は彼を通して知ったのです。
皆さんも、スマホの向こう側には何万人もの監視の目があることを、どうか忘れないでください。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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