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「バツイチ子持ちはやめなさい」と反対する彼の母。しかし、私の連れ子の一言をうけ態度が一変【短編小説】

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
「血の繋がりのない子なんて」凍り付いた挨拶
私は5歳の息子を育てるシングルマザーです。
お付き合いしている彼からプロポーズを受け、彼の実家へ挨拶に行くことになりました。
実は前から「バツイチ子持ちはやめなさい」と彼に言っているのを知っていたのと、古風で厳格なタイプだと聞いており、不安でいっぱいでした。
その予感は的中しました。
実家の座敷に通されるなり、彼のお母様は私を見るなり厳しい口調で言いました。
「バツイチでお子さんがいるなんて、絶対に認めません。息子には初婚の女性がふさわしいし、何より血の繋がりのない子供を育てるなんて、きれいごとじゃ済みませんよ」
彼は必死にかばってくれましたが、お母様は聞く耳を持ちません。
「子供にとっても、実の父親と一緒にいるのが一番の幸せなのよ」
そう言われ、私は何も言い返せず、ただ俯くしかありませんでした。
息子が放った「まさかの一言」
その時でした。それまで大人しくジュースを飲んでいた息子が、お母様の袖をチョンチョンと引っ張りました。
「おばあちゃん」 お母様は不機嫌そうに「何?」と息子を見下ろします。
息子は真っ直ぐな瞳で、ニコッと笑ってこう言いました。
「お兄ちゃん(彼)を育ててくれて、ありがとう!」
その場の全員が呆気にとられました。
お母様が
「え……どういうこと?」
と戸惑うと、息子は続けました。
「僕の前のパパは、いつも怒鳴ってて怖かったんだ。でも、お兄ちゃんはすっごく優しくて、ママと僕をいつも守ってくれるの。お兄ちゃんに『なんでそんなに優しいの?』って聞いたら、『お母さんが優しく育ててくれたからだよ』って言ってたの。だから僕、優しいお兄ちゃんを作ったおばあちゃんに、ありがとうって言いたかったんだ」
その瞬間、鬼のような形相だったお母様の顔が、みるみる赤くなり、目には涙が浮かびました。
自分が全否定していた息子から、これほど尊敬され、愛されていたことを知ったのです。
そして、そんな息子を「優しい人」だと信じて慕ってくれる子供を、自分は傷つけようとしていた……その事実に気づいたようでした。
「……そう。あの子が、そんなことを」
お母様は震える声でそう言うと、気まずそうに、でも優しく息子の頭を撫でました。
「怖がらせてごめんね。……お菓子があるから、食べるかい?」
その日を境に、お母様は誰よりも息子のことを可愛がってくれる「優しいおばあちゃん」になりました。
子供の純粋な言葉には、どんな理屈も敵わないようです。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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