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「無料でしょ?」化粧品のサンプルを全部持っていこうとする客→店員のある正論で顔色が一変【短編小説】

無料でしょ化粧品のサンプルを全部持っていこうとする客→店員のある正論で顔色が一変短編小説

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

迷惑な客

仕事終わりの金曜日、私は自分へのご褒美も兼ねて、駅ビルに入っているお気に入りのコスメショップに立ち寄りました。 新作の美容液やアイシャドウが並ぶきらびやかな店内は、見ているだけで疲れが吹き飛ぶ癒やしの空間です。
「今日はどのリップを試そうかな」 そんな風に心を躍らせていた時でした。
店内の空気を凍りつかせるような出来事に遭遇したのは。

私の数メートル先、スキンケア用品の棚の前で、ガサガサという不自然な音が聞こえてきました。
ふと目を向けると、そこには大きなトートバッグを肩にかけた中年の女性客がいました。
なんと彼女は、棚に置かれている「ご自由にお取りください」と書かれた化粧水のパウチ(試供品)を、鷲掴みにして自分のバッグへ放り込んでいたのです。
一つや二つではありません。まるでスーパーの野菜詰め放題かのような勢いで、棚にあるものを根こそぎ持っていこうとしています。

「ちょっと、あれ…」 周りにいた他のお客さんも気づき始め、ざわざわと不穏な空気が流れました。
そこへ、品出しをしていた店員さんが気づいて駆け寄りました。
「お客様、申し訳ございませんが、そちらはお一人様お一つまでとさせていただいております」 店員さんはとても丁寧に声をかけました。
しかし、その女性客は悪びれる様子もなく、むしろ声を荒らげたのです。

「はあ? 何言ってんのよ。これ『ご自由にお取りください』って書いてあるじゃない! 無料なんでしょ? お店が配ってるんだから、私が全部もらってあげてるのよ。感謝してほしいくらいだわ!」

その剣幕に、私は思わず身をすくめました。
「無料=自分のもの」という理屈を大声で主張する姿に、周りもドン引きです。
しかし、店員さんは一歩も引きませんでした。
背筋を伸ばし、毅然とした態度でこう返したのです。

店員さんの正論

「お客様、お言葉ですが『無料』なのは、あくまでこれから購入を検討される方が、ご自身のお肌に合うかを確認するための『お試し』だからです。お一人で使い切れない量を持ち去る行為は、『お試し』の範疇を超えています。それは他のお客様が商品を検討する機会を奪うことになり、当店への営業妨害となります」

店内が静まり返りました。
「営業妨害」という言葉と、あまりに真っ当な正論。
さらに店員さんは静かに続けました。
「これ以上続けられるようであれば、警察へ通報せざるを得ませんが、よろしいでしょうか?」

「け、警察…!?」 その言葉を聞いた瞬間、女性客の顔色がサッと青ざめました。
自分がただの「迷惑客」ではなく、法に触れるかもしれない立場だと自覚したのでしょう。
「ち、ちょっと冗談じゃないわよ! 二度と来るもんですか!」 女性は捨て台詞を吐き、バッグに入れたサンプルを乱暴に棚に戻すと、逃げるように店を出ていきました。

嵐が去った店内には、ほっとした空気が流れました。
凛とした態度で対応した店員さんに、私は心の中で盛大な拍手を送りました。
その後、私は以前から気になっていた化粧水を一本購入しました。
レジでその店員さんが「お騒がせして申し訳ありませんでした」と微笑んでくれた時、マナーを守って買い物を楽しむことの大切さを、改めて深く感じたのでした。

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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

 

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