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「このゲーム転売で絶対儲かるから」意気揚々と買い占める男。開発元の発表で悲惨な末路に…【短編小説】

このゲーム転売で絶対儲かるから意気揚々と買い占める男開発元の発表で悲惨な末路に短編小説

転売で儲けようとする彼

「このゲーム転売で絶対儲かるから!君もやってみたら?」

彼がそう言って、目の前でスマートフォンを振ったのは、まだ秋の気配が残る日のことでした。

彼の言う「儲かる」というのは、最近話題のインディーズゲームのこと。

ある著名なゲームクリエイターが手掛けた、初回限定生産のパッケージ版です。発表されるやいなや、一部の熱狂的なファンと、そして転売ヤーの間で大きな話題になっていました。

「そんなに大変なの?並んだりするんでしょう?」私は少し呆れて尋ねました。

彼は私の言葉を軽くあしらって、「大丈夫、大丈夫。既に予約でほとんど押さえてあるから。あとは発売日に、協力してくれる人たちと手分けして店舗を回るだけだよ。定価で買って、フリマアプリで売れば、一つあたり1万円は利益が出る計算なんだ」と、キラキラした目で熱弁しました。その時の彼は、まるで宝の地図を見つけた冒険者のようでした。

そして、いよいよ発売日。彼は予定通り、大量のゲームソフトを仕入れてきました。リビングにはダンボール箱が山積みになり、私は正直、少し引いてしまいました。彼はもう、手に入れた利益で何を買おうか、ということばかり話していました。

「これで旅行に行こうよ!高級なレストランも予約しなきゃ」

しかし、彼のその喜びは、長くは続きませんでした。

悲しい末路

発売から数日後の夜、彼はパソコンの前で突然「嘘だろ…」と大きな声を上げました。

何事かと画面を覗き込むと、そこには開発元からの緊急発表が掲載されていました。
要約すると、「初回限定版のパッケージソフトに同梱されている特典アイテムのダウンロードコードに、一部不備が見つかりました。そのため、皆様には大変ご迷惑をおかけしますが、購入者全員にデジタルデラックス版への無償アップグレード権を提供させていただきます」という内容でした。

つまり、パッケージ版を購入した人は、無期限で、特典が全て揃ったデジタル版を無料で手に入れられるようになったのです。

この発表が何を意味するか、すぐにわかりました。

「限定版」としてプレミアが付いていたパッケージ版の価値は、一瞬にして崩壊しました。
特典はデジタルで手に入るし、ゲーム自体はデジタル版でいつでも購入できます。フリマアプリの相場は、発表からわずか数時間で定価を大きく割り込み、誰も見向きもしなくなりました。

彼の部屋の隅に積まれた、大量のダンボール箱。それは、わずか数日前までは「金脈」だったはずなのに、今ではただの「在庫」に変わってしまったのです。彼は青ざめた顔で、「こんなの聞いてない…」と呟くばかり。

「絶対儲かる」という彼の自信は、開発元のたった一つの発表によって、見事に打ち砕かれてしまいました。その時の彼の、力なく座り込んでいる後ろ姿は、今でも鮮明に覚えています。

 

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

 

 

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