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「嘘でしょ…それ干す!?」ベランダから漂う異臭。正体は下の階が干していた意外な物だった【短編小説】

洗濯日和を台無しにした「謎の異臭」
よく晴れた土曜日の朝。
「わあ、今日は洗濯日和だ!」
私はご機嫌で、溜まっていた洗濯物を一気に片付けました。シーツもタオルも全部洗って、気分は最高潮。洗い上がった洗濯物を抱え、意気揚々とベランダに出た、その瞬間でした。
「うっ…!?」
鼻を突く、強烈な匂い。
それは酸っぱいような、でもどこか玉ねぎが腐ったような、ツンとくる「異臭」でした。昨日までこんな匂いはしなかったはず。
(え、うちの排水溝かな…?)
慌ててベランダの排水溝を確認しましたが、特に詰まっている様子もありません。匂いの発生源は、どうやら私の家ではないようです。
風に乗って漂ってくるその匂いは、明らかに下から上がってきていました。
私が住んでいるのは、マンションの4階。下の階には、穏やかそうなご夫婦が住んでいたはずです。
(まさか、何か事件でも…?)
少し怖くなりながらも、匂いがあまりに強烈で、洗濯物を干すどころではありません。私は意を決して、そっとベランダの柵から身を乗り出し、下の階のベランダを覗き込みました。
そして、私は自分の目を疑いました。
ベランダに広がる白い山
「嘘でしょ…それ干す!?」
思わず、声が漏れてしまいました。
下の階のベランダには、大きな青い網カゴが二つも置かれ、その中には、おびただしい数の「らっきょう」が干されていたのです。
おそらく、自家製の甘酢漬けでも作るのでしょう。それにしても、量が尋常ではありません。薄皮が剥かれ、白く輝くらっきょうの山。
そして、あの強烈な異臭の正体は、間違いなくこれでした。
「自家製なのはいいけど、よりにもよってベランダで…!」
私は慌ててベランダから引っ込み、窓をピシャリと閉めました。あの匂いが洗濯物についたら、洗い直しても取れそうにありません。
結局、その日の洗濯物はすべて部屋干しになりました。窓を開けられない休日は少し憂鬱でした。
どうか、あのらっきょうが早く漬け終わりますように…と、私は心から願うしかありませんでした。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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