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出産2ヶ月目の悲劇。「子供は俺が見るよ、遊んできな」と言った夫。帰宅したらまさかの状況に【短編小説】

夫がくれた、つかの間の休息
出産して2ヶ月。私は、まとまった睡眠というものが遠い記憶の彼方に行ってしまったような毎日を送っていました。
24時間体制の授乳とおむつ替え。小さな泣き声にびくっと反応し、常に気が張っている体。我が子は天使のように可愛いのですが、私の体力と精神は正直、限界寸前でした。
そんなある週末の午後、夫が私にこう言いました。
「顔、すごく疲れてるよ。子供は俺が見るよ、遊んできな」
正直、信じられない申し出でした。夫は育児に協力的ではありますが、一人で長時間見るのは初めてのことです。
「え、でも、一人で大丈夫…?」
「大丈夫、大丈夫!俺に任せろ!」自信満々に胸を叩く夫。その言葉に甘え、私は「3時間だけ」と約束して、急いで外出の準備をしました。
久しぶりの一人時間。ただカフェで友人とゆっくりお茶をする。それだけのことなのに、涙が出そうなほど嬉しかったのを覚えています。育児の愚痴や他愛のない世間話で笑い、私はすっかりリフレッシュしていました。
友人との楽しい時間はあっという間に過ぎ、私は「さあ、頑張ってくれた夫と息子に早く会おう」と家路につきました。
今頃どうしているだろう。うまくやっているかな。もしかして、ずっと泣いてないかな。
少し心配しながら玄関のドアを開けました。
リビングは「戦場」だった
シーン…。
家の中が、妙に静かなのです。いつもなら、息子の小さな寝息か、夫がテレビを見る音でもしているはずなのに。
嫌な予感がして、リビングのドアをそっと開けた私は、言葉を失いました。そこは、まるで台風が過ぎ去ったかのような光景でした。
床には使用済みのおむつがなぜか転がり、ミルクを盛大にこぼした跡。哺乳瓶やガーゼがあちこちに散乱し、なぜか夫のTシャツがソファーに放り投げられています。
そして、その惨状の中心で。 夫が、息子を胸に抱っこしたまま、床で「大の字」になって寝ていたのです。 幸い、息子もスヤスヤと気持ちよさそうに眠っています。
「ただいま…」
私が呆然と声をかけると、夫は「ハッ!」と飛び起きました。
「あ、おかえり!いや、あのな、これは…なんていうか、激しい戦いだったんだ…!」
その必死な言い訳と、疲れ切った顔。そして、荒れ果てたリビング。
私は「なんて悲劇なの…」と頭を抱えつつも、なぜか笑いがこみ上げてくるのを止められませんでした。
「お疲れ様。大変だったね」
夫が一人で頑張ってくれた結果がこれなら、まあ許そうか。
私は腕まくりをして、この「悲劇」の現場検証…いえ、片付けを始めることにしたのでした。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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