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「不良品ですよね?返品して」百貨店で騒ぐ女。店員がレシートを確認したら驚きの事実が。実は【短編小説】

不良品ですよね返品して百貨店で騒ぐ女店員がレシートを確認したら驚きの事実が実は短編小説

響き渡る怒声

私が勤める百貨店は、いつも多くのお客様で賑わっています。その日も、午後のピークタイムを迎え、フロアが活気づいてきた頃でした。

「ちょっと!これ、どう見ても不良品じゃないの!」

突然、甲高い女性の声が響き渡りました。声のする方を見ると、一人の女性がカウンターに真っ赤なハンドバッグを叩きつけ、仁王立ちになっています。

「こんなもの売るなんて、どういうつもり!?」

先輩が目配せで私に「お願い」と合図します。私は深呼吸を一つして、そのお客様のもとへ向かいました。

「お客様、いらっしゃいませ。いかがされましたか?」

できるだけ落ち着いた声で話しかけます。

「いかがも何も!これよ!不良品ですよね?返品して」

女性はハンドバッグの留め具あたりを指差します。「買った時からこうだったのよ!すぐに返品してちょうだい!」

見ると、確かに留め具の金属が少し曇っているようにも見えます。しかし、これを「不良品」と断言するには難しいところでした。周囲のお客様も、何事かとこちらを見ています。

「お客様、ご不便をおかけし申し訳ございません。詳しい状況をお伺いしたいのですが…」

「話すことなんてないわよ!レシートだってちゃんと持ってるんだから!」

女性はバッグから、くしゃくしゃになったレシートを取り出し、私に突きつけました。

「はい、これで文句ないでしょ!」

「ありがとうございます。確認させていただきます」

レシートに隠されていた「まさかの事実」

私はそのレシートを受け取り、丁寧に広げました。

日付は一週間前。商品名も「ハンドバッグ(赤)」。金額も一致しています。私は、レシートの隅々まで、慎重に目を通しました。

そして、気づいたのです。

レシートの一番上に印刷されている、店のロゴと名前に。

「お客様。大変申し上げにくいのですが…」

私はレシートをお客様のほうへ向け、そのロゴを指差しました。

「こちらのレシートですが、当百貨店のものではなく、駅向かいの『〇〇ビル』のお店のものかと思われますが…」

一瞬、時が止まりました。

お客様は、レシートと私の顔を二度、三度と見比べます。

「え…あ…」

先ほどまでの剣幕が嘘のように、お客様の顔がみるみる赤くなっていきます。

「……っ!」

お客様は何も言わず、カウンターの上のハンドバッグをひったくるように掴むと、早足で出口に向かって去って行かれました。

嵐のような時間が過ぎ去り、売り場にはいつもの静けさが戻りました。私は、その場に残されたくしゃくしゃのレシートを、そっと拾い上げました。

 

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

 

 

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