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映画館で「ポップコーンこぼすなよ」と嫌味を言われた私。上映中にこぼしたのはその人だった【短編小説】

映画館でポップコーンこぼすなよと嫌味を言われた私上映中にこぼしたのはその人だった短編小説

友人と映画を見にいったら…

私の名前は亜美。
先日、友人の莉央と、楽しみにしていたアクション映画を観に行った時のことです。

公開初日ということもあり、映画館は満席。
私たちは、大きなポップコーンとドリンクを抱え、指定された席へと向かいました。

通路は狭く、すでに座っている人の前を「すみません」と頭を下げながら、カニ歩きで進んでいきます。
その時でした。通路側に座っていた男性が、私が抱えるポップコーンをちらりと見て、迷惑そうに、吐き捨てるように言ったのです。

『うわ、邪魔だな…。ちょっと、それ、こぼすなよな』

その嫌味な一言に、私の心は、一瞬で冷え込みました。
腹立たしい気持ちを抑え、私は、無言で席に着きました。

映画の爆発シーンで信じられない光景が

映画が始まり、私は、その男性のことなど忘れて、スクリーンに広がる世界に没頭していました。
物語が、最大の見せ場である、大爆発のシーンを迎えた、その瞬間です。

轟音と、スクリーンの閃光。
驚いた観客たちの体が、座席で、びくりと跳ね上がりました。

それと同時に、私の隣から、「ガシャーン!」という、盛大な音が聞こえてきたのです。

何事かと、隣に目をやると、そこには、信じられない光景が広がっていました。

先ほど、私に嫌味を言ってきた、あの男性。
彼は、映画の爆発音に、心底、驚いてしまったのでしょう。
自分の膝に置いていた、特大サイズのポップコーンを、派手に、そして、豪快に、床一面にぶちまけていたのです。

暗闇の中、慌ててポップコーンをかき集めようとする彼の姿は、あまりにも滑稽でした。

「こぼすなよ」と、あれほど、高圧的に言っていた、その本人が、上映中に大惨事を引き起こしている。
これほど皮肉なことがあるでしょうか。

映画が終わり、場内が明るくなると、彼の足元の惨状が、はっきりと見て取れました。
彼は、ばつが悪そうに、顔を真っ赤にしながら、最後まで、一度も、私と目を合わせることはありませんでした。

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

 

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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

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