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「女が金の話するなんて品がない」が口癖だった彼氏。→私の”不動産収入”を知った途端、態度が豹変したのが面白すぎた。【短編小説】

始まりは彼の口癖だった
「俺さ、女が金の話するのって無理なんだよね。なんか、品がないっていうか」
付き合って半年の彼――航平の口癖だった。
居酒屋で「来月ちょっと節約しようかな」と言っただけで、このセリフ。
財布からクーポンを出しただけで、「おばさんみたいなことしないでよ」と笑われたこともある。
でも、そのくせ割り勘は当然。
電車代まできっちり請求される始末。
「俺、金目当ての女とか一番ムリだからさ」
そんな彼の前で、私はずっと“自分の稼ぎ”を隠していた。
実は私、“家賃収入”で月20万ある
私は、普通の会社員だけど、じつは祖母から譲り受けた築古アパートを持っている。
といっても、相続税対策で名義だけ私になっていたものを、コツコツ修繕して、やっと人に貸せるようにしただけ。
副業というほどでもないが、月に20万程度の収入がある。
家計はそれでずいぶん楽になっていた。
でも航平の「金の話=下品」思想が面倒で、黙っていた。
「家買うなら、俺が稼いで買ってやるから!」
ある日、なんとなく“将来の話”になった。
「まぁ、結婚するなら家くらいは持ちたいよな」
「でも東京って高いよね」
「俺がバリバリ稼ぐから大丈夫。女は家計とか余計なこと考えない方がいいって」
うーん、なぜか、毎回“女を養う俺”スタンス。
それ、こっちは求めてないんですけど。
この時、私の中で何かがプツンと切れた。
そしてある日、通帳と固定資産税通知書を“うっかり”見せた
「そういえばさ、大家さんってどうやって税金払ってるんだろ?」
見せてしまった固定資産税
ふとそんな話題を振られたので、
私は軽く「こんな感じだよ」と、自分の通帳と固定資産税のハガキを“うっかり”見せてみた。
「え、なにこれ……“家賃収入”?え、月20万?え??」
彼の目がまんまるになった。
手のひら返しって、本当にあるんだね
そこからの航平の豹変がすごかった。
「てかさ、お前、実は堅実なんだな!」
「女で家持ってるって、マジでカッコいいわ」
「俺もさ、不動産投資とか興味あるんだよね〜!やり方教えてよ!」
急に「金の話大好きマン」に進化。
いや、さっきまで「品がない」とか言ってた人が何言ってるの?
その夜から、彼の呼び方が「オレたちの資産」に変わった
「この物件って、将来的にはリノベもありじゃね?」
「俺たち、老後は安泰だな!」
「共働きで不動産収入もあったら、もう最強夫婦じゃん」
……うん、完全に“共有財産扱い”されてる。
しかも、私はまだ「結婚」なんて一言も言ってない。
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