GLAM Editorial

ストレスで貧血になることはある?関連性やその他の原因、自分でできる対処法についても解説

 

「最近、健康診断で貧血気味だといわれた」
「めまいや吐き気で仕事に集中できないことが多い」
「仕事のストレスと貧血って関係あるの?」

 

このような悩みや疑問をかかえていませんか?

 

結論からいうと、過度なストレスは貧血を引き起こす場合があります。日頃感じている貧血症状の原因は、もしかしたらストレスかもしれません。

 

そこで今回は、ストレスが貧血を引き起こす理由や、貧血対策におすすめの方法について、薬剤師が紹介します。

 

1. そもそも貧血とは?

貧血とは、赤血球の中にある「ヘモグロビン」の濃度が低下した状態のことです。

WHOの基準では、ヘモグロビンの値が男性で13g/dl未満、女性で12g/dl未満の場合を貧血と定義します。(※1)

 

ヘモグロビンには酸素を全身に運ぶ働きがあるため、減ってしまうとからだが酸欠状態になり、めまいや吐き気、だるさなどのさまざまな不調が生じるのです。

 

2. ストレスと貧血の関係

ストレスを感じると、自律神経が乱れて胃腸の働きが低下し、からだが鉄をうまく吸収できずに貧血になることがあります。

ヘモグロビンの材料である鉄を積極的に摂取しても、体内へうまく取り込めなければ貧血のリスクが上昇してしまいます。

 

鉄分を意識した食事やサプリメントを摂っているのに貧血症状がなかなか改善しない場合は、ストレスにより胃腸が弱っているのかもしれません。

 

3. ストレス以外に貧血を引き起こす原因

ストレス以外に考えられる貧血の原因には、過度なダイエットや不摂生などによる栄養不足、月経過多、臓器からの出血などが考えられます。夏は薄着の季節だからといって、過度なダイエットをしていませんか?


食生活の偏りによって鉄分やビタミンB12が欠乏すると、赤血球やヘモグロビンがうまくつくれずに貧血を引き起こす恐れも。また、月経の際の経血が多い場合や、胃潰瘍や十二指腸潰瘍といった臓器からの出血によっても、鉄を失うことで貧血を引き起こす場合があります。

 

3. ストレス性の貧血を治すにはどうしたらいいの?

貧血を引き起こす原因にはさまざまなものがありますが、ストレスによっても貧血になる場合があります。

 

原因がストレスならば、ストレスを取り去ることが1番の解決法です。しかし、普段かかえているストレスをゼロにすることはなかなか難しいでしょう。

 

ここでは、ストレス性の貧血を改善するためにできるセルフケアについて紹介します。

3-1. 自律神経を整える

ストレスで自律神経が乱れると胃腸の働きが低下することがあるため、自律神経を整える工夫が有効だと考えられます。

 

自律神経のなかでも、胃腸の働きを活発にするには副交感神経を優位にすることが大切です。そのためには、湯船に浸かる習慣をつくることがおすすめですよ。

 

血流がよくなって仕事の疲れも取れやすくなるでしょう。

3-2. 貧血に効くツボを押す

ストレス性の貧血対策には、ツボ押しもおすすめです。

 

「血海(けっかい)」というツボは血流改善に役立ち、胃腸機能の低下を改善する働きもあります。

 

血海は、膝から指3本分上がったところにあります。入浴の際に血海を刺激するとさらに効果的でしょう。

4. 貧血対策には漢方薬もおすすめ!

ストレスによる貧血を改善するにはストレス解消が1番ですが、なかなか難しいのが現実ですよね。

生活習慣を整えたりツボ押しで胃腸の機能を高めたりすることに加えて、からだの内側からケアできる漢方薬の活用も選択肢のひとつです。

 

貧血対策には、以下のような働きをもつ漢方薬を選びます。
・血流をよくして、脳に酸素や栄養を運ぶ
・ストレスで乱れた自律神経を整える
・睡眠の質を上げてストレスを改善する
・胃腸の働きを整えて活発にする
・月経過多を改善して血液の排出を防ぐ

 

漢方薬は、消化・吸収の機能をよくして必要なところに栄養を届けるため、消化機能の低下による貧血症状の改善を目指すことが可能です。

 

ここでは、貧血の改善におすすめの漢方薬を2種類紹介します。

 

<貧血におすすめの漢方薬>

・人参養栄湯(にんじんようえいとう):からだのエネルギーや栄養を補うことで、疲れやだるさに働きかけて元気を取り戻すのを助けてくれます。手足の冷えや貧血などの症状がある方や、体力がない方におすすめです。(※2)

 

・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):余分な水分を排出し、胃腸の働きを高めることで栄養を吸収しやすくし、貧血や冷えを改善します。冷え症で疲れやすく、足腰の冷えやむくみが気になる方におすすめです。(※3)

 

漢方薬を選ぶ際に重要なポイントは、自分の症状や体質に合ったものを選んでいるかどうかです。症状や体質に合っていないと効果を感じにくいだけでなく、場合によっては副作用を招くことも。

 

しかし、どの漢方薬が適しているのかを自分自身で見極めることは、なかなか難しいですよね。最近では、AI(人工知能)を活用した「あんしん漢方」のようなオンライン相談サービスも登場してきました。

 

AIを活用し、漢方のプロが自分に適した漢方を見極めて、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」が可能です。ぜひ活用してみてください。

 

あんしん漢方

5. ストレスと貧血は関係あり!

日常的に大きなストレスを感じると、自律神経が乱れて胃腸の機能が低下し、鉄分不足になってしまう可能性があります。

胃腸の機能を高めるためには、副交感神経を優位にする工夫やツボ押しなどがおすすめですよ。それらの工夫に加えて、胃腸を元気にして貧血改善を目指す漢方薬を試してみることもひとつの方法です。

 

めまいや吐き気などの症状がひどい場合は、無理せず内科や消化器科などの医療機関を受診してくださいね。

 

 

参考文献

(※1)貧血の原因は?|国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター
https://www.ncgg.go.jp/hospital/navi/11.html

(※2)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ人参養栄湯エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=9083

(※3)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ当帰芍薬散エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=8228

 

 

<この記事を書いた人>

 

あんしん漢方薬剤師
稲嶺 千春(いなみね ちはる)
北陸大学薬学科卒業後、製薬企業や調剤薬局に勤務。
様々な経験をする中で、対症療法ではなく、漢方による根本治療の大切さを実感する。漢方薬の力をより多くの方に広めるために、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選び、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」で情報発信をしている。
あんしん漢方(オンラインAI漢方)

 

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