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「面倒だからゴミ置いていくか」マナーの悪い登山客。だが、山頂で気づいた自業自得の内容とは?【短編小説】

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
マナーの悪い登山客
秋の山は色づき始め、空気も澄んでいて絶好の登山日和でした。
私は一歩一歩、土を踏みしめる感触を楽しみながら、山頂を目指してゆっくりと歩を進めていました。
すると、中腹にある見晴らしの良い休憩所で、少し困った光景を目にしたのです。
私の少し先を歩いていた一人の登山客が、ベンチでコンビニのおにぎりやパンを広げて食事をしていました。
食事を終えたその方は、あろうことかベタついた空き袋をひとまとめにすると、そのまま近くにある大きな岩の隙間にぐいぐいと押し込み始めたのです。
「面倒だからゴミ置いていくか」という独り言が、静かな山の中に響きました。
その時です。
ちょうど上から下りてきたグループがその様子に気づき、声を上げました。
「もしもし、ゴミは持ち帰るのが山のルールですよ。そんなところに捨ててはいけません」と、非常に丁寧ながらも、毅然とした口調で注意をしたのです。
ところが、注意された本人は反省するどころか、顔を真っ赤にして怒り出しました。
「他人がうるさいんだよ! 放っておいてくれ!」と吐き捨てると、説教から逃げるように山頂を目指して足早に立ち去っていきました。注意した方々は呆れ果てて溜め息をついていましたが、「山が汚れるのは忍びないからね」と言い添えて、そのゴミ袋を拾い上げ、自分たちのリュックに収めてそのまま下山していきました。
山頂での出来事
その後、私も自分のペースで登り続け、ようやく山頂に到着しました。
そこには、先ほど勢いよく駆け上がっていったあの登山客がいました。
しかし、絶景を楽しんでいる様子はなく、地面にリュックの中身を広げて真っ青な顔で立ち尽くしています。
「ない……、どこにもない! 使い捨てカメラを、あのゴミ袋に一緒に入れていたんだ!」 その悲痛な叫びに、私はすべてを察しました。大切なカメラをコンビニの袋に一時的に入れていたのでしょう。
それを忘れて、中身を確認せず「面倒なゴミ」として捨ててしまったのです。
親切な下山客がゴミを拾ってくれたおかげで、山の環境は守られました。
しかし、マナーを無視した代償として、その方の思い出は、今ごろゴミとして山を下りています。
自業自得とはいえ、その虚しい背中を見て、マナーを守ることは結局、自分自身を大切にすることなのだと痛感した出来事でした。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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