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「週末は出張だ」とLINEする夫。だが、夫を尾行すると、目の前に現れたのは親友の家だった【短編小説】

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
急な出張という夫
夫:『悪い、急なんだけど週末出張になった』
夫:『大阪のクライアントでトラブルみたい』
私:『えっ、週末なのに?大変だね』
私:『気をつけてね』
金曜の夜、残業中だという夫とのLINEのやり取りです。
スマホの画面を見つめながら、私の心は冷え切っていました。
「大阪でトラブル」なんて真っ赤な嘘。
だって、夫のスマホの通知に、新幹線の予約メールなんて来ていなかったのを、私はこっそり見ていたのですから。
ここ数ヶ月、夫はスマホを肌身離さず持ち歩くようになり、画面を伏せて置くのが癖になっていました。 「黒か白か、はっきりさせよう」 翌朝、大きなボストンバッグを持って「行ってくる」と家を出る夫。
私は少し時間を空けて、地味な服装に着替え、彼を追いました。
追跡した結果
夫が向かったのは新幹線の改札……ではなく、近郊へ向かう在来線のホームでした。
私も慌ててICカードをタッチし、彼が乗った車両の隣の車両へ滑り込みます。
電車に揺られること四十分。夫が降りたのは、私にとってあまりにも馴染みのある駅でした。
休日の家族連れで賑わう中、夫を見失わないよう距離を取って後を追います。
彼が足を止めたのは、とあるマンションの前。
そこは、大学時代からの私と夫の共通の親友が住むマンションでした。
「まさか……」 エントランスから出てきた部屋着姿の親友に、夫は満面の笑みで手を振り、二人は慣れた様子で手をつないで建物の中へ消えていきました。
怒りで視界が真っ赤になりそうでしたが、私はぐっと堪えてスマホを取り出しました。
そして、夫と親友、そして私が参加している「仲良し3人組」のグループLINEを開き、たった今撮影した『二人が手をつないでマンションに入る後ろ姿』の写真を送信したのです。
すかさずメッセージも送りました。
『大阪出張って、そこだったんだね。楽しそうで何より』
『あ、荷物は全部実家に着払いで送っておくから、もう帰ってこなくていいよ。離婚届も置いとくね!』
送信して数秒後。
マンションの三階、親友の部屋のカーテンが勢いよく開きました。
窓際で顔面蒼白になり、携帯を握りしめて立ち尽くす二人。
私は彼らに向かって、これ以上ないほどの満面の笑顔で大きく手を振ってあげました。
夫から鬼のような着信がありましたが、その場でブロック。
私は二人からたっぷりと慰謝料をいただき、新しい趣味を見つけて充実した毎日を送っています。
あの時、青ざめた二人の顔を見上げて手を振った瞬間の爽快感は、一生忘れられません。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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