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「養育費払うから会わせろ」急に父親ぶる元夫。再会した息子の悪気ない一言に元夫が崩れ落ちた【短編小説】

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
元夫の身勝手な一言
離婚してから3年。
私は必死に働いて、ひとりで息子を育ててきました。
養育費なんて一円も払わず、音信不通だった元夫。
それなのに、先日突然連絡が来たのです。
「事業が成功して金ができた。今までのもまとめて、養育費払うから息子に会わせろ」
あまりに身勝手な言い分に怒りが湧きましたが、これからお金のかかる息子の将来のためです。
私は感情を押し殺し、一度だけ会うことにしました。
指定されたのは、少し高級なレストランの個室。
元夫はブランドもののスーツに身を包み、勝ち誇ったような顔で待っていました。
「おう、大きくなったな!俺がパパだぞ」 元夫は5歳になった息子を見るなり、高価そうなオモチャを突き出しました。
「これからはパパが何でも買ってやる。今まで会えなくて寂しかっただろ?」と、まるで悲劇のヒーロー気取り。
3年間の父親としての空白期間を、モノと金だけで埋めようとしているのが見え見えでした。
息子はオモチャを受け取ると、不思議そうに首を傾げました。そして、元夫の手を握りながら、悪気のない真っ直ぐな瞳で、元夫にこう尋ねたのです。
息子の純粋な一言
「おじさん、おもちゃありがとう。でも、どうして『パパ』なの?僕、運動会も発表会もママと二人ですごく楽しかったよ。寂しくなんてなかったのに、どうして今さらパパが必要なの?」
その瞬間、元夫の動きがピタリと止まりました。
「金さえあれば父親になれる」「父親がいない母子家庭は不幸なはずだ」という彼の勝手な思い上がりを、息子の純粋な一言が粉々に砕いたのです。
元夫は口をパクパクさせ、顔を真っ赤にして崩れ落ちるように椅子に背中を預けました。
かける言葉も見つからないようでした。
息子にとっては、苦しい時にそばにいてくれた私だけが「親」であり、急に現れた彼はただの「お金持ちの他人」でしかなかったのです。
結局、その日は気まずい空気のまま早々に解散。
帰り道、私の手をぎゅっと握る息子の温もりを感じながら、私は強く思いました。
親子の絆や信頼は、積み重ねた時間の中にしかなく、札束なんかじゃ絶対に買えないのだと。
お金はもちろん頂きますが、父親面をする資格は彼にはもうなさそうです。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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