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「塾なんて無駄!」と息子の勉強を邪魔する夫。しかし、息子の模試の結果を見て驚いた理由とは【短編小説】
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本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
勉強の方針が合わない夫
「塾なんて金の無駄だ! 勉強なんかより、もっと世の中の仕組みを肌で学べ!」
夕食後のリビングで、夫の大きな声が響き渡ります。
これが我が家の日常茶飯事。
現場仕事で叩き上げの夫は、勉強よりも経験や体力が全てだという考えの持ち主です。
中学3年生になる息子は、そんな父親の言葉を聞き流しながら、黙々とダイニングテーブルで英単語帳をめくっています。
私はパート代をやりくりして、夫に内緒で息子を塾に通わせていました。
でも、夫はそれに感づいており、わざとテレビの音量を上げたりと、息子の集中を乱すようなことを言ったりして、あからさまに邪魔をしてくるのです。
「あなた、もう少し静かにしてあげてよ」
私がそうたしなめても、「家でくらい好きにさせろ」と聞く耳を持ちません。
そんなある日、息子が受けた大規模な模擬試験の結果が返ってきました。
封筒を見つけた夫は、意地悪な笑みを浮かべて言いました。
「おい、結果を見てやるよ」
夫は勝手に封筒を開け、成績表を取り出しました。
私は息を呑んで見守ります。
紙面に目を落とした夫の動きが、ピタリと止まりました。
夫が驚いたワケ
「……おい、なんだこれ」
夫の声が震えています。
そこには、県内トップの進学校の判定欄に、くっきりと『A』の文字があったのです。
しかも、数学の偏差値は70を超えていました。
しかし、夫が本当に驚いた理由は、その成績だけではありませんでした。
志望校の欄に書かれていたのが、かつて夫が「本当は行きたかったけれど、諦めた」とこぼしていた、学校の名前だったからです。
「お前……ここに行きたいのか?」
夫が問いかけると、息子は初めて顔を上げ、まっすぐに父親を見つめて言いました。
「父さんみたいに、機械をいじる仕事がしたいから。でも、僕は父さんよりもっとすごい機械を作るエンジニアになりたいんだ」
夫はしばらく口を開けたままでしたが、やがてバツが悪そうにテレビの電源を消しました。
「……そうか。なら、邪魔して悪かったな」
その翌日からです。
夫がリビングで騒ぐのをやめ、息子に「夜食、何か食うか?」と不器用に声をかけるようになったのは。
あんなに反対していた塾の送り迎えも、今では夫が張り切って担当しています。
息子の本気と、隠された親へのリスペクトが、頑固な父親の心を変えたのでした。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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