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彼氏「昔より太ったよな(笑)」→私「ありがとう!」体型をバカにした彼氏に感謝…だって私…【短編小説】

過去の私と今を比べる彼
週末の昼下がり、二人でソファに寝転がって、彼氏のスマホでクラウドに保存された昔の写真を見ていた時のことです。
「うわ、この時の俺ら若すぎ!」なんて思い出話に花を咲かせていたのですが、ふと彼の手が止まりました。
画面に映っているのは、付き合いたての頃の私。
今よりも体重が数キロ軽く、ファッションも肌が出るものを好んでいた時期の写真です。
彼はその写真と、隣にいる今の私を交互に見比べて、鼻で笑いながらこう言いました。
「てかさ、お前この時めっちゃ細くない? 昔より太ったよな(笑)」
彼は悪びれる様子もなく、私の二の腕をプニプニとつまんでニヤニヤしています。
「今はもう、貫禄ついたっていうか……正直、詐欺じゃん」
デリカシーのないその言葉。以前の私なら、「ひどい!」とショックで泣いていたかもしれません。もしくは、「自分だって!」と怒って喧嘩になっていたでしょう。
女性に対して体型の変化を指摘して笑うなんて、本来なら許せない行為です。
でも、その時の私の口から出た言葉は、彼にとって全く予想外のものでした。
「ありがとう! えへへ、そう言ってもらえて嬉しいな」
私は彼の手を握り返し、満面の笑みでそう答えたのです。
彼は鳩が豆鉄砲を食らったような顔をして固まりました。
「は? いや、俺いま『太った』ってバカにしたんだけど。皮肉通じてない? 」と、かなり引いています。
彼が呆れるのも無理はありません。普通の反応ではないからです。でも、私には彼にまだ言っていない、ある重大な秘密があるのです。
愛しい秘密と私の決意
実はこの体型の変化、ただの食べ過ぎや運動不足ではありません。私のお腹の中には今、新しい命が宿っているのです。
つい先日、体調の変化に気づいて病院へ行き、妊娠が判明したばかりでした。まだ彼には伝えておらず、どうやってサプライズ報告しようかと考えていた矢先の出来事だったのです。
初めてのことで不安も多く、「ちゃんと育っているかな」「栄養は足りているかな」と心配で仕方なかった私。
だからこそ、彼からの「太った」という言葉は、客観的に見ても私の体がふっくらとしてきた=「赤ちゃんが順調に育っている」という、何よりの証拠に聞こえました。
彼の意図はどうあれ、私の体は母になる準備を着々と進めているのだと実感できて、心から安堵したのです。
それと同時に、私の体の変化を心配するのではなく、ただの笑いのネタにする彼を見て、スッと冷静になっている自分もいました。「この人は、見た目の変化しか見ていないんだな」と。
「順調、順調」と心の中でお腹をさすりながら、私はある決意をしました。この子の父親として彼が本当にふっくらした私ごと愛してくれるのか、これからの態度でもう一度見極めようと。
彼が「ほんと変なやつ……」と首をかしげてスマホに戻る横で、私は自分のお腹にそっと語りかけました。
「パパはああ言ってるけど、ママは嬉しいよ。元気に大きくなってね」と。彼の知らないところで、私はもう「母」としての強さを手に入れていたのです。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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