Share
「お願い!給料日には返すから」と毎月お金を借りにくる友人が二度と連絡してこなくなった理由【短編小説】

大切な存在だった友人
私には、学生時代から仲の良い友人がいました。お互いに服を貸し借りしたり、ランチ代が足りない時は「次はおごるから!」と笑い合ったり。
そんな、本当に気兼ねのない関係でした。
社会人になってからも、私たちは頻繁に連絡を取り合い、愚痴を言い合っては励まし合っていました。彼女は私にとって、大切な存在だったのです。
変化が訪れたのは、いつからだったでしょうか。
「ごめん、今月ちょっと厳しくて…。お願い!給料日には返すから」
ある日、彼女からそう言って1万円を貸してほしいと頼まれました。昔からの仲です。困っているなら助けたいと思い、私は「お互い様だよ」とすぐに貸しました。
彼女は約束通り、給料日にきちんとお礼と一緒に返してくれました。
でも、それが一度きりではなかったのです。 次の月も、その次の月も。「お願い!給料日には返すから」という言葉は、いつしか私たちの中の「月一の挨拶」のようになっていきました。
最初は1万円だった金額が、2万円、3万円と少しずつ増えていくことに、私はうっすらと不安を感じ始めていました。
もちろん、彼女は毎月きちんと返してくれます。でも、それは「返済」というより、借りたお金で借りたお金を返しているだけのように見えました。
私のお財布を、まるで自分の銀行口座のように使っているのでは…? そんなモヤモヤした気持ちが、日に日に大きくなっていきました。
彼女のためにも、私のためにも
そして、ある月のことです。 また彼女から「今月もお願い!」と連絡がきました。今度の要求は5万円でした。
さすがに、私も考え込みました。このままではいけない。彼女のためにも、私のためにも。
そこで私は、意を決してこう返信したのです。
「ごめん! 私も今月ピンチで…」
「逆に、10万円貸してくれない? お願い! 給料日には返すから!」
私は、彼女がいつも私に使うセリフを、そのまま使ってみました。もちろん、本当に借りるつもりはありません。
彼女からの返信は、いつもよりずっと遅れてやってきました。
「そっか…わかった」
たったそれだけでした。
そして、その日を境に、彼女からの連絡はパタリと途絶えたのです。 あれだけ毎月のように来ていた「お願い!」のメッセージも、もうありません。
どうやら彼女は、「給料日に返す」当てのないお金を借りることはできても、「給料日に返す」当てのないお金を貸すことはできなかったようです。
大切な友人を失ったようで少し寂しい気もしますが、それ以上に、毎月の不安から解放されたことにホッとしている自分もいます。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
******************
心に響くストーリーをもっと読みたい方
【他のおすすめ短編小説を見る】
******************
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
友だち登録&アンケート回答で「Amazonギフトカード」など好きな商品を選べるギフトを毎月抽選で5名様にプレゼント!
\ 今すぐ応募する /
Feature
おすすめ記事

