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「定時までに頼める?」手柄を横取りする上司に重要案件を丸投げされた。腹いせに完璧すぎる資料を作り込んだ結果

「定時までに頼める?」手柄を横取りする上司に重要案件を丸投げされた。腹いせに完璧すぎる資料を作り込んだ結果
押し付けられた大仕事、あえて隙のない仕上がりに
「ごめん、このデータまとめといてくれる?あとよろしく〜」
息をするように自分のタスクを押し付けてくる上司。私の心の中には、ずっと黒いモヤモヤが渦巻いていました。
なぜなら、いざ会議の場になると、まるで自分が一から作ったかのような顔をしてプレゼンをするからです。私が残業してまで仕上げた資料を使い、ドヤ顔で語る上司の背中を見つめながら、「それ、全部私が調べたんだけど……」と唇を噛む毎日でした。
そんなある日。これまでになく重要なコンペ案件だったにもかかわらず、上司はまたしても私に仕事を丸投げしてきました。
「この企画の資料、定時までに頼める?あとの発表は俺が上手くやっとくからさ!」
「……承知いたしました」
すっかり日常茶飯事とはいえ、今回ばかりは私の堪忍袋の緒も切れかかっていました。
「いいよ、だったら誰が見てもぐうの音も出ないくらい、完璧な資料を作ってやる!」
私は静かな怒りを燃やし、細部まで徹底的にデータを練り上げました。数値の正確性はもちろんのこと、相手から投げかけられそうな想定質問と、そのパーフェクトな回答案までも網羅し、万全の準備を整えたのです。
言葉に詰まる上司と、取引先からの思いがけない称賛
そして迎えたプレゼン当日。
予想通り、上司は私の作った資料をそのままスクリーンに映し出し、さも自分の功績であるかのように自信たっぷりに語り始めました。
「お手元の資料をご覧ください。弊社といたしましては……」
スムーズに進行しているように見えましたが、中盤に差し掛かったところで、取引先の担当者から鋭い指摘が飛んできました。
「ここの試算データですが、どういった裏付けがあってこの数値になったんでしょうか?」
その瞬間、上司の動きがピタリと止まりました。
「ええっと……それは、その……えー……」
会議室を満たす、凍りつくような沈黙。上司の額に冷や汗が浮かぶのを見た私は、すかさず助け舟を出しました。
「恐れ入ります。そちらのデータは私が作成いたしましたので、代わってご説明させていただきます」
自分でも驚くほど、冷静で凛とした声が出ました。
あらかじめ準備していた回答案をもとに順序立てて説明すると、取引先の方の表情がパッと明るくなり、「なるほど、非常に納得のいく根拠ですね」と深く頷いてくれました。そのまま商談は和やかな雰囲気でまとまりました。
会議後、片付けをしている私のもとへ、先ほどの取引先の方がわざわざ歩み寄ってきてくれました。
「先ほどの補足説明、非常に的確で助かりました。素晴らしい資料ですね」
なんと、私に直接労いの言葉をかけてくださったのです。ふと視線を横にやると、そこには穴があったら入りたそうな、ひどく気まずい顔をした上司の姿がありました。
私は上司を責め立てたわけでも、文句を言ったわけでもありません。
ただ自分の仕事をやっただけ。それでも、「ちゃんと裏側の努力を見てくれている人はいるんだな」と胸が熱くなりました。私の中にずっと溜まっていたドロドロとした不満が、嘘のようにすっきりと晴れ渡っていくのを感じた瞬間でした。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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